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天使にラブ・ソングを…のtomoonのレビュー・感想・評価

天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)
4.2
ゴスペルが良く、クスッと笑えるポイントがたくさん散りばめられていて前向きで楽しくなるところは、皆様のレビューと同じ感想。

ただ自分には、意外や意外、この作品は成功したビジネスケースを描いているように見えた。

旧来の修道院やシスターという存在を再定義し、それらを変革していくというイノベーションの話なのではないか。

古い考え方に固執する修道院長に対し、外部から来たその業界のことを何も知らないクラレンスが、修道院やシスターの本質を再構築し、お客さんの求めるものから本来あるべき姿を捉え直し、それに向かって恐れず大胆に変えていく。
どう見ても凄腕経営者がやりそうなことをさらっとやってのけている。

特に歌の指導に関しては、優秀なマネージャーよろしく、そのやり方がとても上手かった。
現時点の皆の役割や実力を確認し、それぞれの個性を生かすように役割を変え、ゴールの音を伝えた上で、特に重要なポイントを端的に伝える。それによりチームとしての総合力は大きく向上した。
これを優秀なマネージャーと捉えずに何と捉えようか?笑

しかも院長や前任の指揮者から疎まれず、むしろ自分の味方にするほどの人望も持っているとは。
クラレンスは恐るべし人たらしだ。
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