スタンダード

天使にラブ・ソングを…のスタンダードのレビュー・感想・評価

天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)
4.0
【我が道を行く】


『他人が自分と同じ物を所有』
していると、
『何かにつけて嫉妬』
する性格です。


『みんなが持っていると』
『自分も欲しくなる』
のではなく、
『みんなが持っていると』
『自分だけの物』
だと主張したくなるのです。


とは言え、
毎度嫉妬してはキリがないため、
『独自路線に舵を切る』ことで
嫉妬を抑え込むようになりました。


そして気づくと、
『周りとの共通の話題』が
なくなってしまいました。
『共感する』こともなければ、
『共感される』こともありません。


独自性を探求するあまり、
社会性を損なってしまいました。
いや、元々社会性はなかった。


【我が道を失う】


ぽっと出のクラブ歌手に
自分の居場所が奪われる。
これは恐怖でしょう。


『自分の信じていた価値観』を、
『根本から否定されている』
ような気分かもしれません。


面白くないでしょうね。
受け入れ難いでしょう。


ただデロリスは、
孤独の中で居場所を見つけた。
その居場所は院長の席ではない。


椅子は取り合うものではなく、
譲り合うものでもない。
創り出すものなのでしょう。