ももまま

アイリスのももままのレビュー・感想・評価

アイリス(2001年製作の映画)
4.5
この映画は認知症を発症した小説家アイリスとその夫の愛情関係を描いた映画である。
当時、認知症を扱った映画は珍しかったように思う。
かつて言語を自由に操り人々を魅了した人物から、言語、記憶、理性というものが淡々と削ぎ落とされていく。
主演のジュディ・ディンチのリアリティを追求した演技も素晴らしいが、夫役ジム・ブロードベントがとにかく素晴らしい。
愛する才女であった妻の変化を必死に受け止めようとしながらも、変わってゆく彼女を目の当たりにして衝撃を受け、哀しみ、自分自身もボロボロになりながらも最後まで彼女を愛し抜こうとするのである。

演技が下手な役者がこれをやったら、テーマが深淵なだけに非常にわざとらしい、あざとい演技になる可能性がある。
ジム・ブロードベントは理屈抜きにその演技に説得力がある。
演技であると知りながら観客が感情に巻き込まれてしまう。

愛する人が認知症になった時。最後まで愛し抜けるのか。
なかなか今の日本ではタイムリーなテーマだ。
ちなみにブリジット・ジョーンズのパパ役も大好き‼︎( ^ω^ )✨
紫色のタキシードが似合う男No.1である。
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