渡邉龍馬

ザ・ビーチの渡邉龍馬のレビュー・感想・評価

ザ・ビーチ(2000年製作の映画)
3.2
旅が大好きな自分にと紹介してもらった映画、ビーチに楽園がありそれを求め仲間達と旅に出ていく…

そんな幸せな冒険映画かと思って観てたけど、蓋を開けてみればバイオレンスな話でびっくり。

主人公で旅人のリチャードはタイのバンコクである男と出会う、その男が言うには岸壁に囲まれていて外からは見えない島のビーチがあり、そこには一面の大麻畑がありまさに楽園があると、男からそのビーチへの地図をもらいビーチを目指していく

楽園は小さな集落の様になっており、世界中から集まった旅人が島に住み着いていた。
島にはルールがあり、島民をこれ以上増やさない事でありこのルールが彼らを知らずの内に彼らを縛っていく。

社会と孤立した集落には自由が与えられる、彼らの仕事は金を稼ぐ訳ではなく生活する為に一人一人が自分の役割を真っ当している、昼間はビーチスポーツで体を動かし、夜は寝るまで皆んなで談笑
楽しい日々がある中で、病気を患えば病院では無く島での処置をしなければならない。

1人の病気でビーチを危険に犯すなら痛い目を遭うのは仕方ない。
そんな小さい島民の意識が大きな波を作ってしまう。
ある日島民3人がサメに襲われる、1人は死亡、1人は重症でこの事件を気に島の雰囲気が悪くなってしまった。

最終的には彼を山奥のテントに移動させ彼らの生活は元に戻っていく。

人は本能的に見たくないものは隠してしまう物で、生き物は平等であるべきと考えていてもハエや蚊は自分の邪魔をするから殺してしまう。
見殺しにしようという集団心理は少し怖く感じてしまう、起こってること全てに目を向けれるのか、どこか他人事の様にしてしまっているのが悲しかった。

この作品は綺麗な描写が多く、引き画が特に良かった。
また、バイオレンス描写の異様な恐怖感は知らないものを覗くようなドキドキ感で、そのバランスがとても面白かった。
渡邉龍馬

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