昼行灯

カポネ大いに泣くの昼行灯のレビュー・感想・評価

カポネ大いに泣く(1985年製作の映画)
3.5
鈴木清順がコメディを撮るとこうなるのか。日活無国籍アクションを日活を辞めさせられた後に撮るとこうなるのか。
浪花節を黒人音楽と折衷させるとこうなるのか。

鈴木清順は今回もやりたい放題無尽で清順美学を炸裂させている。kkkもチャップリンも登場し、銃撃戦はネオンやカラーライトで彩られる。

でもわたしは渡米前の冒頭10分の日本でのシーンの方が好きだったな。横滑りは日本家屋の平屋的な構造と親和性があるし、非連続的なショットの連続は親しみ深い日本の光景のなかで起こるからこそ奇異に思えるのだと思う。私にとって外国は別に清順が撮らなくても不思議の国なのである。

ともあれ田中裕子の可愛らしくも色っぽく、なおかつ粋な演技には夢中にならざるをえなかった。吐息混じりの甘い言葉を囁いたかと思えば、一肌脱いで刺青を見せ啖呵を切る彼女の目まぐるしさはめちゃくちゃなこの映画にすこぶる合う。

2回目
独立じゃなくて松竹だからか後半CG使いまくり。悲愁物語といい、松竹で作ってるのは助監督時代を松竹で過ごしたから?
浪曲シーンはもちろんピエロシーンや会話など多すぎると言っていいほど平面的な人物配置がある
物語の大筋はわかるけど、細かいところはどうしたっていう感じがすごい。清順が見せ場以外は適当に繋いでるっていうのは本当なのがよくわかる映画。だから2回目見たけど1回目の記憶が全然なくてほぼ初見のようなものだった🥹
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