流石にバスビー・バークレー演出の終盤のミュージカル・シークエンスは圧巻で、それは本当にめくるめく夢のような世界なのだけど、映画全体の雰囲気は暗い。やっぱこれは1933年という時代(大恐慌)によるものだろう。能天気さがない。
調べるとアメリカでの公開が1933年5、6月とのことで、3月にルーズベルトが大統領になってニューディールをやり金融緩和をし始めたぐらいだろうか。でも株価が80%下落し、失業率25%—約1200万人の失業者であふれていたのだから、能天気になれないのもわかる(製作は当然ルーズベルト大統領誕生以前だし)。
でもマルクス・ブラザースってこの時代に、あの狂奔していたパラマウント時代の一連の作品を作ってたんだよなあ。
そう考えるとハリウッドってまじすげえ。
@シネマヴェーラ渋谷