まなみ

惑星ソラリスのまなみのレビュー・感想・評価

惑星ソラリス(1972年製作の映画)
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観たよ



「コングレス未来学会議」の原作者としても知られるスタニスワフ・レムの「ソラリスの陽のもとに」をタルコフスキーにより映画化(←擦った揉んだ有り)

完璧なカメラワークと徹底した画作り、バッハの旋律、どれをとっても完璧
だからこそ皆眠くなるのか?!
嫌、これを眠いで諦めたら勿体ないぞ!
それ程素人目からみても凄い映画だと思う🤔

前半、後半の二部構成で前半は少し説明的で退屈に思えるかも知れませんが(それでも謎の土砂降りシーンや首都高ビュンビュンは楽しいし、この前半が後半に驚きを齎すのも事実!だから諦めたら試合終了やで!)
とにかく後半からのぶっ飛びがヤバイ


惑星ソラリスにある"ソラリスの海"は自分の良心や意識を具現化する

主人公クリスも例外では無く自殺した亡き妻を無意識の内に召喚
びっくりして一先ずロケットでぶっ放し(kill)一件落着←違

しかし意識の具現化なので何度も蘇る
そしてその妻は妻ではなくクリスの意識のコピーなので、妻(コピー)自身も悩み苦しみます
"コピーでは無く人間としてクリスに愛されたい…"
次第に人間らしくなっていくコピーは記憶も無く思い出の無い自分自身の存在理由を見失い、何度も何度も自殺を繰り返す…しかし蘇生…切ない
クリスもクリスでコピーと解っていながらも彼女を愛しはじめ、当初の目的は次第に狂っていく…

幻想と現実の間で苦悩し精神的にも肉体的にもギリギリまで追い詰められていく様が観ていて辛かった🙈
ですが言われている程難解では無いです

「科学的な真実よりも君が大事」

「もしかすると我々は人類愛を実現するためにここにいるのかも…」

そんな台詞からも壮大な"愛"をテーマに見て取れ、ジャンルをSFに置きながらとても内面的で人の深層部に迫ったストーリーに改めて観ても新鮮さを感じました

でもこれ、ラストをループとして解釈するとちょっと怖いよなぁ….ぶるぶる
まなみ

まなみ