惑星ソラリスの作品情報・感想・評価

「惑星ソラリス」に投稿された感想・評価

じゅん

じゅんの感想・評価

4.4

このレビューはネタバレを含みます

ずっと見たかったタルコフスキー映画!
本当にとても良かったです
相変わらず映像美と背景美術が最高峰で素晴らしい
ただし美しすぎて開始20分でウトウトし始めちゃうから夜見ると拷問に近い
いつもはブルーレイ買うんですけど今回はレンタルしました。
でもやっぱり何度も見たくなるから買います。
自身の記憶を具現化する惑星の海の話
ストーカーとはまた逆な感じですね
最後なんですけど、最初から惑星ソラリスに至って解釈と、結局ソラリスに住んだって解釈の2通りがあげられると思うんですけど個人的に考えて最初の主人公のシーンから考えると最初からソラリスに居たって事かな…
明日返却だから見返しはまた今度かなぁ〜
KiNSS

KiNSSの感想・評価

-
人間の脳内は宇宙だ!!
と、胡散臭いスピリチュアルな文句がよくあるけれど、この作品を観た後だと「ああ、そうなんだ…」ってなっちゃいました。
自然、海、水、草花、石、太古からあるもの、宇宙にも存在するもの、これらに「意思が無い」とは断言できないのかもしれないなあ、そんな壮大なテーマを抱えてしまう。
そこに加えられた、「人間」が持つ愛と郷愁。SFだけど、誰しもが持っているような記憶への執着をねっとり見せつけられる。だいぶ抉られました。凄い。
セイゴ

セイゴの感想・評価

3.8
「2001年宇宙の旅」と比較したレビューがみられるので似たような作品だと思ってたら、全くベクトルの違った作品だった。SFと聞いて想像する宇宙も近未来も超現実もこの映画にはない。地球から遠く離れた惑星ソラリスが物語の舞台ではあるが、内容はプリミティブな信心と道徳心に問いかけるもので、人間の思考と情緒の範疇にある物語だった。

このレビューはネタバレを含みます

日本の首都高速道路が見れる

既にタルコフスキーの『ノスタルジア』と
『ストーカー』を鑑賞し 3作目に突入した
残念ながらその中で一番盛り上がらなかった 何故だろう
タルコフスキーは私にとって理屈の通らない特別なものなので
理由は語れない

ただ、『惑星ソラリス』は脚本が 一番
分かりやすい
他の方のご指摘も多かった
哲学の一分野である形而上学的なお話しに
なっているらしい この辺りは私にはお勉強が足らず 充分な理解はできないが
その下敷きの上で 繰り広げられる
自殺した妻と過ごした時間
その時のクリスの心の変遷や
故郷の父親へのノスタルジアなど
クリスの想いが手に取るようにわかったのだ

宇宙船の外のソラリスの海の唸りや渦も
自然と切り離された上で存在している
と思うと とても不気味である
その海を臨む宇宙船の丸い窓が 何度も何度も映り その度にざわざわと胸騒ぎを起こす

人間の持つ感情を宇宙の何やら巨大で
果てしなく知能の高い惑星ソラリスに
弄ばれて 破滅して行く
その過程を身震いしながら 時に共感しながら見守る そんな作品だった
水に覆われた未知の惑星「ソラリス」の謎を解明するためにステーションに旅立つ男の物語。

まず初めにとにかく長い。正直すごく苦痛だった。二部編成の退屈な本編を観ていて正直前半パートで観るのも嫌になってたんだけど、結末でこりゃ恐ろしいと思った。

「2001年宇宙の旅」のような‪未体験の映像描写や異星人の登場するようなSF作品のイメージとはひと味違う作品。主人公の私情が軸に進む物語ではあるけれど是非結末まで見届けてほしい。

「もしこれが現実に起きたら…」という頭で想像した時に感じる脅威のようなものがジワジワと襲ってくる余韻。一味センスの効いた立派なSF映画でした。めっちゃゾクゾクする。ただし長い。
panpie

panpieの感想・評価

4.5
静かにバッハが流れる。
水中に揺蕩う葦。
水面に揺れる枯葉。
流れる水の音。
鳥のさえずり。
そのゆらゆらと揺れる葦の緑は実に美しくまるで生きているかのよう。
一人の男が水辺に佇んでいる。
そこへ車が一台止まり男に声を掛ける。
男の名前はクリス・カルヴィン。
明日ソラリスへ旅立つ。
そこへ父親がその友達アンリ・バートンを連れてやって来る。

惑星ソラリスから無事帰還できたのはたったの一隻。
その宇宙飛行士はバートンだったのだがその後しばらく閉じこもって人との交流を断ち口を開こうとはしなかった。
やっとの事で聴問会で何があったのか証言するが何とも意味不明で理解を超えており映っている筈の映像にはその証言を裏付けるものは何も映っておらず彼は狂人扱いされてしまう。

連絡の取れないソラリスの宇宙ステーションにいるはずの3名の安否を確認すべくクリスがソラリスへ派遣される事になったのでバートンが過去に自分に起きた事を警告しようとしたのだがクリスは一笑に付す。
クリスは今後のソラリス探索の継続を賭けてソラリスへと旅立つ。



遂に観た!
「CODA」でも教授が今作のあの有名な空中浮遊シーンを観ていた。
随所で使われていたバッハが映像にぴったりで教授がバッハに嫉妬するのは分かる気がした。
観なさいと言われてるなと思っていたがなかなかそのタイミングが来なくて延び延びになっていた。
「async」を観てやっと重い腰が上がった。

実は今作はずっと昔に映画通の知り合いに当時タルコフスキーのリバイバル上映があった時に連れて行かれて観たのだけどまだ若かった私には到底早過ぎてちんぷんかんぷんだった。
でも今回は違った。
昔の映画特有の余白をたっぷりととった美しい映像の映画だと思えた。
ただ前半部分が長すぎた様にも思うのだけど2日に分けて観たのだが何故かゆったりとした気持ちで観ることができた。
2部構成で165分。
物理学者ギバリャンのメッセージの途中で必ず一時停止を繰り返しその後一度だけその先を観る事が出来たのだけどその後は何度やっても最後まで観る前に第2部へ突入してしまう。
Blu-rayじゃないのになんで飛ぶの?(ToT)
その部分は観る事が出来なかったのでギバリャンのメッセージに重要なシーンがあったのではと思うのだがそこは分からないので観たと言って良いものか悩む所だ。
クリーニングしてないからかなと思ったけど他のDVDで飛ぶ事はないのでこのDVDが変なのか気になる。
きっと今作を思い出すと飛んだ記憶ももれなく思い出すのだろうな。
まだ観ぬシーンを観る為にリベンジするかも知れない。








↓↓ここからネタバレあります↓↓







ソラリスの海とは一体何なのか?
科学的な理由はさっぱり分からなかったのだが頭の中を読み取ってもし自分の亡くなった大切な人が突然現れたらどうするだろう。
クリスに限っては10年前に亡くなった妻だったり若い頃の母親だったりソラリスの海が記憶を読み取って現れたのは理解できる。
サルトリウスやスナウトに出現した〝あれ〟は一体どういう関係なのか。
特にサルトリウスの〝あれ〟が一瞬現れた時驚いたがどんなストーリーがあったのだろう。
生物学者のギバリャンは自殺したがクリスが見た青い服の若い女はギバリャンの想像したものなのか?
でもメッセージでは少女が映っていた筈。
ギバリャンの死後成長したとか?
それか何人も現れるのかな。
たとえ想像した本人が死んでも〝あれ〟は消えないのか。
確かスナウトがクリスには死んだ妻が現れたと分かった時自分の会いたい人じゃなく想像もしていないものが現れるより遥かにマシ的な台詞があった様に思う。
そこのとこを観ている私達には教えずにストーリーは続いて行く。
観終わってその謎を想像するのが好きなのでこういう展開は私は好きだ。

ラストは全く覚えていなかったので衝撃だった。
クリスは家に帰って来たんだなぁと観ていると懐かしい実家を窓から覗いてみると窓辺の本が上から水が滴っていて濡れている。
雨漏り?と思って観ていくとそこへ父親が現れ父親の背中にも水が雨の様にあたりみるみるうちに濡れて行く。
家の中で雨が降っているのだ!
何故?
おかしいと思っていると父親が外に出てきてクリスは父と抱き合う。
カメラはどんどん引いていき…
あぁなんて事!
クリスはあのままソラリスに居続けている事が分かる。
冒頭でバートンが海に庭園の様なものを見たと言っていたがあれはクリスの想像で作り上げた実家周辺なのかな。
イントロでクリスはどこか不思議な顔をして辺りを見回しているのが腑に落ちなかったのだがこれはもしかしたらエンドレスなんだと突然理解した。
またそこに戻る。
クリスの無限ループを描いているのかもしれないと思った。
クリスは死んだ妻にまた会えたけど妻はまた何度でも死んでしまう。
最初は宇宙船に乗せて飛び立たせてしまうけれども。
そこでまた謎が…
あの宇宙船は自分が乗ってきたものじゃないの?
それで地球に帰れなかったのかな?とも思ったり。
宇宙ステーションにいたサルトリウスやスナウトはどうなったのだろう。
それぞれの〝あれ〟とクリスの様にそれぞれの〝居場所〟を見つけたのだろうか。


原作者のスタニスワフ・レム作品とは描いている部分が全く違っているそうで二人は映画を巡り喧嘩したそうだ。
なんかキューブリックの「シャイニング」でキングが「あれは私の作品ではない」とか認めてないとかのやり取りを思い出した。
いいじゃない、監督の映画なんだからとも思ったしそれで原作を読んでみようという人も出て来るのだからウィンウィンじゃないの?と私は思うのだけど。


私の理解の追いつかない所がまだある。
第1部で馬が登場するがあれは何かの暗示なのかな。
ソラリスでは馬は現れなかった。
あとバートンの息子が少女に挨拶するがあの少女をアップにしてやや映している挨拶のシーンの意味も分からなかった。
クリスの子供だったのかな?
ソラリスであの子は現れないし死んだ妻にしか執着なかったってことかな?

あとあの高速のシーン。
あれは驚いた。
〝カリーナ〟〝コロナ〟とか看板や車にも至る所に日本語が溢れていて東京の高速道路だった!
ちょっとタルコフスキーの世界観にマッチしている様にも思う。
え?バートンは怒って息子を連れて帰った道は東京なの?と驚きが隠せず思わず笑ってしまったがまぁそこは置いといても貴重な70年初頭の日本の様子が分かる。
本国では72年公開なのに日本公開はその5年後の77年とは驚き!
公開当時は酷評されたそう。
今となっては信じられないけど。


前半部分が長いと思っていたけどこのストーリーにはバートンの体験は語られるべきだし最後まで観た時の前半部の余韻の必要性は頷ける。
ただ長いので何日かに分けて観るか自分が観る事を受け入れないと受け付けない映画だと思った。
「ブレラン2049」でも「サクリファイス」の木を彷彿とさせる木が出てきたしまた自分が準備OKな時に観たい。
大人になってから観たタルコフスキーは悪くないとちょっと嬉しかった。
若い頃に巨匠の作品やフランス映画を観て殆ど理解できなくてトラウマになったり嫌いになったりしていたので観直してみて克服できた事はかなり嬉しい。
これを機に観直そうと思った。
midimidi

midimidiの感想・評価

3.8
DVDで前半のミニマルな催眠系映像に何度か途中で寝落ちしリタイアの末、3回目くらいでようやく観終えた。最後まで観たら、すごい作品だということがわかった。
ソラリスの海は、いまは亡き主人公の妻の形を具現化するのだが、それは単なる映像でも人形でもなく、感情を持った存在だ。しかも何度も自殺を図り、かつ蘇るという設定。終盤の蘇生シーンの何と官能的なことか。
劇中、観念的な会話が多く、哲学的な雰囲気を醸し出してはいるが、実は実存とか、宇宙についてというよりは、「僕の」または「君と僕の」ことを語る内面宇宙の物語。
エヴァンゲリオンにも通じる閉じっぷりが甘酸っぱく、セカイ系の元祖かもしれない映画だと思った。
劇中の音の使い方は凄まじいセンス。
何はともあれ、一生忘れられない傑作ではある。
火曜

火曜の感想・評価

3.6
「記憶が物質化される」なんて日が実現されたら感情に飲まれて死んでしまう
思い出は美化するもの、、、
難解頭痛
独特な雰囲気と、少し不気味な空気感。個人的結構好きな映画!!ストーリーとか設定が、おもしろく、ラストの結末、こういう終わり方大好きです。
映像が美しく、音楽もいい、音がない場面がよくでてくるのがいい。
タルコフスキーの代表作ではあるけど、他の長編と比べると個人的に一歩劣る感がやはりある。

というのもソラリスに行くまでの自然の描写は水草が揺蕩う川等どれも美しいもので最高なのに、ソラリスについてからはそういう描写が少なく無機質な空間ばかり映されるためだ。

勿論美術は凝ってるし時折見えるセピア調の映像も趣があるし、サスペンス的演出も見事なのだけど、タルコフスキーといえば自然の優美な描写や厳粛な構図や照明等が素晴らしい監督という印象で、途中その持ち味が活かせていないような展開は実に勿体無く思える。

しかしそれでも全体として長回しを多用した映像表現第一主義的、というよりベルイマニズムな作風は流石タルコフスキーと言わざるを得ないし、終盤の幻想的なシーンは何度見ても溜息が出るほど白眉だから、結局素晴らしいと形容するしかない。
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