惑星ソラリスの作品情報・感想・評価

「惑星ソラリス」に投稿された感想・評価

QTaka

QTakaの感想・評価

3.7
人類は、他者をどのように受け入れられるのか?
あるいは、人間の知性の外にある何かを理解出来るのか?
そんな問いが投げ掛けられる物語だ。
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SF映画の大作の一つ。
原作と映画は別物として見た方が良いかもしれない。
実際、この映画の監督タルコフスキーは、撮影中に原作者レムと大げんかをして、仲たがいしている。
原作「ソラリス」の日本語訳をされた、ロシア・東欧文学研究者の沼野充義氏の解説でも、原著と映画の方向性は全く逆であると説かれている。
ということを踏まえた上で、映画は映画、原著は本として味わうのが良いのでしょう。
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この映画については、はるか昔に見たことが有るように記憶しているのですが、いったいどこで見たものやら。
ということで、ほぼ初見。
最近、この映画に結びつく逸話が有ったので、そのへんから。
一昨年公開されたドキュメンタリー映像『Ryuichi Sakamoto: CODA』の中で、坂本龍一氏がアンドレイ・タルコフスキーの映画作りの中で、音楽の使い方について言及している。
特に、映画『惑星ソラリス』の中のバッハのコラール(BWV639)。
そこで、そのシーンをもう一度堪能して見たいというのもこの映画を見るきっかけの一つだった。
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映画は、未知の惑星の海の存在が中心になっている。
もっとも、それは〝海〟であって、いわゆる〝海〟ではない。
それは、何かの意志を持って存在しているようで、その〝意志〟とは何なのかが分かっていない。そのための『ソラリス学』なる学問領域すら存在するという設定。
それは、明らかに地球外生命であり、人類に対峙する存在なのだろう。
はたして、人類は、その〝存在〟とどう向き合うのか?
人類は、人類と対峙する外の存在を認められるのか?
というテーマの物語だったハズなのだが。
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映画は、あくまでも人類というところに視点を持ったまま展開する。
主人公クリスは、研究者として惑星ソラリス上空の宇宙ステーションへ赴く。
そこで展開される事態は、惑星の海が人間の記憶をスキャンして得た何かを物質化してステーションへ送り込むことから始まる。
それは、記憶の中の一部であり、意識のどこにあるものかも分からない。
だから、有るものには、それは非常な驚異となり、有るものには懐かしい誰かかもしれない。
それが、人間なのか、あるいは他の動物なのか、あるいは他の何かなのか?
それが、一体どこから具現化されたのかも、本人ですら分からないのかもしれない。
そこが、恐怖の源だ。
そして、ある研究者は、そのことから自殺する。
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主人公クリスの前に現れたのは、かつて共に暮らし、些細なことから自殺させてしまった妻の姿だった。
その過去を心の奥に持ち続けてきたことに驚きを隠せない。
目の前の存在は、決して人間でも無く、また妻でも無いことは明白で、さらにステーションの下に広がる〝海〟の作用であることを同僚の研究者たちから知らされる。
はたして、自らの心の中から生まれ出た目の前の存在をどう受け止めるべきなのか。
個人として、研究者として。
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かつての妻の姿と、ステーションでの時間を過ごす。
その姿を印象的に演出するのがバッハのコラール。
この荘厳な、静かなメロディーが、思い悩む主人公とその思いに気付き始める妻の姿に寄り添うように響く。
坂本龍一がタルコフスキーのこの表現に憧れを感じた意味が少し分かった。
この場面で、音楽は、多くのセリフよりも雄弁に語りかけてくれる。
そのための選曲や、音楽の使い方にプライオリティーを求めるのは、当然のことだし、あるいは必要なことなのだろう。
色々な音楽はこの場合いらない。
むしろ、この一定のリズムで、抑揚の少ない音が、繊細な気持ちを表してくれる唯一の表現なのだとおもう。
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映画は、あくまでも人間が未知の〝意志〟(生命かどうかは不明)とコンタクト出来た、一応の関係を結ぶことが出来たということになっている。
恐らく、これでは本来レムが表現し、あるいは掘り下げたかったものには到達していないのだと思う。
それは、映画とは真逆で、人という存在を元に何かを理解出来るということはおよそあり得ないことだったと思う。
それは、むしろ「未知の存在、理解を超えた存在の有ることを認めよ」と言うのがレムの〝ソラリスの海〟に込めた意味では無かったかなと思う。
もっとも、それでは、私たちが望む物語には成りえないのかもしれない。
私に理解出来ないものなど、私たち現代人には無いのだから。
あるいは、私が理解出来ないものなど、存在してはいけないのだから。
映画としては、人類の英知が結果を出すことにしなければ成らないのだろう。
それが、現代人の基本認識のように思える。
それは、恐らく、多くを見損なう現況だと思うのだけれど。
あるいは、その傲り、慢心が、科学万能という現代人の姿勢に繋がっていると気付かなければ成らないのだろう。
ということで、入手済みのスタニスワフ・レムの原著『ソラリス』を読むことにします。
しぶ

しぶの感想・評価

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ん?ん?ん?
え、待って、え?最後って、?

サクリファイスより好き。
タルコ先生第2弾。
メランコリアでもあのブリューゲルの絵使われてたような
今回は眠くならなかったしとても引き込まれて見れました
若干ホラー感あった
静かで冷たいけれど、何というか許し?癒し?みたいな
礼拝のときに散々聞いた前奏だぁー!って思ってたけど終始その印象
SFというよりももっと人間の内的を深く洞察するような感覚

やっぱり言ってることは難しくて難解なんだけど、元より理解しようと思って観てないので身を任せて入っていって気持ち良い映画
でも最後の音楽すっごく怖かった 笑

お母さんと話すシーン
なんかすごく分かるなぁ
あの時母親っていう存在と対峙するのがなんていうか人間として1つ成長というか何というか
母親っていう偉大過ぎる存在の前にありのままの自分をさらけ出すっていうのが肝というか
そこが神の前で泣いて許しを乞う感覚っぽいなと思いました

ちょっとこれは落ち着いた頃に色々なレビュー読みたいです
徹夜明けの明け方とかに観て、「音楽やば笑 全部はわかんないけどすきだわ、死にてえ」ってなる映画かなって
心理学者のクリスは惑星『ソラリス』探索のために派遣される。

グググ..眠い..

(今のところ)人生で一番眠くなった映画です。
自分の中に眠気が1%でもあると持っていかれます。
話の小難しさに加えて音のなさや意味のない映像のラッシュが自分にはしんどすぎました。

たしかに最後まで頑張って観ると、SF的な面白さとある種神話的な壮大さを併せ持つ作品ではあります。
しかしながら面白さを損なわずにボリュームを半分くらい削れたのではないかと思ってしまいます。

いっそ読み物としての方が私は受け入れられたかもしれません。
怒涛のロシア語、悲しい音楽、古めの映像…寝る前にピッタリ。
ホラー映画みたいなラストシーンが意味不明すぎて色んな人のレビューを読んでなるほどな〜となりました。不思議な惑星の話です。
ゆたや

ゆたやの感想・評価

5.0
ソラリスは人間の想像力を現実化させる、始源的な海である。
自らの運動によって、創造された島も、そこに住まう他者も、自らの鏡像である。ソラリスにいる限り永遠に時間は流れない、ソラリスの島は「なおいっそう無人」である。
タカシ

タカシの感想・評価

4.8
『ソラリスの地におりたった私の前には何が訪れるのだろう?』


アンドレイ・タルコフスキーがポーランドの作家、スタニフワフ・レムの小説を映画化した、かの「2001年」に比肩しうるSF大作。

今から少し未来、惑星ソラリスの探査に赴いたクリスの身に起こった不可解な現象を描く。

かなり体調を整えたにも関わらず、観賞中は度々睡魔に襲われなかなか先に進まなかったものの(いわゆる「首都高のシーン」辺りがかなり冗長なのです…)、途中からは一気見でラストまで。

実は昔々に一度深夜にテレビ放送された時に一度見ていたのですが、あれは相当カットされてたんだろうな。

いやぁこれはすごい。
SFとかなんとかいったところで、結局描かれるのは人間なのですよ。

見終わってどういうレビューを書こうか、数日考えたんだけど、この深い感動が全く言語化されない。
ものすごい悲劇のようであり、赦しや癒しを描いているようでもある。
読み取れる要素があまりに多過ぎて、感動と一緒に気が遠くなるような立ちくらみのような混乱も一緒に来る。

この物語、私はちゃんと理解してるの?
理解してるような気になってるだけ?

原作小説からかなりの改変がありその小説も持っているのだが、映画を再見するまでは、小説は後回しにしていたので、これから小説を読みたいと思います。そのあと「100分で名著」も見なきゃ。
セルBlu-rayにて。19.01.01
2019#001
roche21

roche21の感想・評価

4.0
20年ぶりぐらいに観ました。最初観た時は若かったですけど、純粋にのめりこめたかな?
ゆう

ゆうの感想・評価

3.8
冒頭。

ソラリスで起きた幻想的な出来事の説明。

退屈。

欠伸をひとつ。

その後、主人公がソラリスへ。

神秘的な海。

幻想的な雲。

渦巻く波。

奥行きのあるBGMが展開される。

聴力が澄まされていく。

ドナタス・バニオニスの透明感のある声。

物寂しげな眼。

そして、哀愁。

淡々と不可思議な現象が起こる。

彼女は未知の生命体?

既存の生命体?

残留思念の結晶?

イマジネーションの産物?

クローン?

そして、死んだはずの妻が現れる。いや。表れる。愛情と倫理的拒絶。葛藤。妻の死。再生。また死。そして、印象的なラストを迎える。哲学的な葛藤がふんだんに盛り込まれていた。

また時を置いて見てみよう。
じょい

じょいの感想・評価

3.5
イカリエが劇場公開されたタイミングで、追ってこちらも鑑賞。

質感は大好きなのに長さに負けてしまった感があるので、またゆっくり見返したい。

目で見る実態と脳の中の空想の差は
心の問題なのかな?
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