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長屋紳士録のtoroのネタバレレビュー・内容・結末

長屋紳士録(1947年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

犬猫子供と三日も住めば情が湧くっていう話。

今の感覚だとディストピア物かファンタジー物にも思える犬猫感覚で子供を拾ってくる始まりと、中盤の自分達が子供の時はゆったりしてたけど近頃の子は大変だという台詞が、国家総力戦での敗戦という特殊な災害のせいで一世代二世代前より生活や文化が著しく後退した事が感じられて衝撃的だった。

相変わらず、今となっては途絶えてしまったのぞきからくり口上や挨拶がとても興味深い。

あと、笠智衆が唄上手い。



田代:三府の一の東京で(ああどっこい) 波に漂うますらおが はかなき恋ににさまよいし 父は陸軍中将で 片岡子爵の長女にて(ああどっこい) 桜の花の開きかけ 人もうらやむ器量よし その名も片岡浪子嬢 (ああちょいと)
海軍中尉男爵の 川島武男の妻となる 新婚旅行をいたされて 伊香保の山にワラビ狩り(ああどっこい) 遊びつかれてもろともに 我が家をさして帰らるる (ああちょいと)
武男は軍籍あるゆえに やがて征くべき時は来ぬ 逗子をさしてぞ急がるる 浜辺の波のおだやかで(ああどっこい) 武男がボートに移るとき 浪子は白いハンカチを(ああどっこい) 打ち振りながら 「ねえ、あなた早く帰って頂戴」と 仰げば松にかかりたる 片割れ月の影さびし 実にまあ哀れな不如帰



きく女:おやかましゅう。
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