HidekiIshimoto

長屋紳士録のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

長屋紳士録(1947年製作の映画)
4.5
1947年にきれいにそびえる築地本願寺の異形に興奮。あの辺りは空襲被害免れたのか?長屋にもバラック感まったくない。男達はずっとテキトーなので紳士じゃなくて淑女録。けど笠智衆は絶品のど自慢。「のぞき」と呼ばれるあの唄なんだろ?と思ったら「のぞきからくり」という見せ物の口上らしい。乱歩だね。あのおばばの心情変化。あの変化は海外旅行する友人に世話押しつけられた人見知り強情猫との間で俺も経験した。戦後間もない頃の非人情につぐ人情。爆笑につぐ涙。小津演出静かに爆裂の、佳作のような傑作。ただしラストシーンから先へ踏み込めば小津映画の領域外。ギリギリの境界線に立った西郷さん。