セルピコのutakoのネタバレレビュー・内容・結末

1973年製作アメリカ・イタリア合作映画。
ニューヨークを舞台に、汚職と腐敗にまみれた警察組織の中で抗うひとりの警官の姿を描いた、実話原作を映画化。新人警官フランク・セルピコ(アル・パチーノ)は正義感に燃えていたが、汚れきった警察内部の現状を知るにつれ、その思いは潰えていく。

犯罪をなくしたい…理想を抱き、晴れて警察官になったセルピコ。蓋を開けてみれば、手柄の横取り、不正な賄賂の取引、汚い金塗れ。そこには正義のカケラもないわけです。
上層部にかけあっても有耶無耶にいなされ、黙認された現実。理想とはかけ離れ腐りきった警察組織に落胆し苦悩しながらも、警察の在るべき姿を貫き不正に立ち向かうセルピコの姿が惚れ惚れするほどカッコいい。こうゆう話大好き。

はじめこそ爽やさと初々しさでキラキラ見えますが、髭面＋ヒッピーファッションという風変わりな警官キャラは孤高感にもなっていて、目にも楽しいものがありました。髭面であっても、若きアル・パチーノの端正な顔つき、目ヂカラについつい引きつけられちゃいます。
正義に駆り立てられ危険に飛び込んでいく熱のこもった芝居、骨太なストーリーにぐんぐん引き込まれました。事実に基づいた話とはいえ、これは名作。観て良かった。