パンスケが橋で酔っ払いと間違えて瀕死の刑事に声をかけてから、刑事の死、そしてオープニングテーマ。ジャジャーンとパンチがあるストリングス曲でカッコいい!
後半の線路脇をマンチェイスする際のカメラワーク。浜村純の列車にしがみついての撃ち合い。併映中編とは思えない映画的ダイナミズム。
…と画も音も役者もいいけど物語が消化不良。尺が短いとはいえ、どうしても同社の傑作中編『事件記者』シリーズと比較すると見劣りするような…。主要登場人物が少ないから『事件記者』のように各キャラを楽しんだりして回を重ねるごとに面白くなるとも思えない…。親子で刑事という設定も全然活きていない…。
ただ、人情派刑事でドヤの住民にも慕われる益田喜頓が、アル中の情報屋を酒で餌付けしているのが今の感覚からすると凄かった。
その小渕さんという情報屋、ほぼ巻き添えで見殺しにされちゃうんだけど、同僚刑事が「可哀想なことをしましたね…」というと益田喜頓が「仕方がないよ、運命だよ」と言い捨ててしまうのには感動した。その前後で「あー、疲れた!」とも。
そんな人情刑事の嘘で塗り固められた人生までもが見えるような演出は故意か偶然か。物語としてはイマイチでしたが、そこは大いに楽しめました。