やま

鳥のやまのレビュー・感想・評価

(1963年製作の映画)
4.0
小さい頃に母親に
「そんなに映画観てるなら、ヒッチコックぐらい見ときなさいよ」
と言われ小学生の頃だったか中学生の頃に観た記憶がある今作品。

その後も一部分などで何度か観たことはあるが久しぶりに全編を鑑賞した。
今となってこのようなパニック映画はクオリティの高い作品で溢れており、CGなどの映像技術面では完全に劣っている。
家に鳥が侵入する場面では、無数の鳥が家の中を羽ばたき主人公たちを襲うが、周りの家具や床に羽が落ちるとか汚れが一切見えず、こういった場面に当時の技術の限界が見える。

とはいえ、
ヒッチコック的演出が随所に見られる。
これが最高。
・ガソリンに火がつき車が爆発して男が火だるまになる場面での女性のリアクションのカットバック(女性の顔の変化が個人的に凄い好き)

・子供が逃げる場面
(楳図かずおを思い出させられる子供たちの表情が印象的。ちょっと違うかもだけど)

・カラスが集まる場面
とてもクール。バサバサと音ともに1匹翔んでいるカットから無数のカラスがジャングルジムに。

公衆電話の場面もそうだが、
演出がとても面白い。
単に僕がこういったテイストの演出が好きなのだと思うけど、たまらない。

最高だとは思うが
前半は本当に退屈だと思う。
込み入った人間関係(設定がかなり変)をみせたかったのだと思う。

ヒッチコック映画は学ぶ箇所が多くて最高。
やま

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