この映画めちゃくちゃ好き。
ブリジットジョーンズの日記、ノッティングヒルの恋人、ラブソングができるまでのヒュー・グラントが出てるから、これは面白いだろうということで見始めたが、実は最初「何の話やねーん」ってなってた。
だけど、何回か見直したりほかの人のレビューを見てると結構、この映画「味わい深いな」と思うの。
というのもこの映画「ラブコメ風」だけど、それにしてはそれほど軽い感じでなく「なんか不思議だなー」と思っていたら、なんと「結婚制度」がテーマになっているんだそう。
「結婚」って教会でキリスト教式で行われることが日本でも多いけど、作中で司祭が言うには
「結婚とはそもそも人がいまだ罪を犯さざる前に、
神が定めイエスと教会の一体を示したもの。ゆえに結婚はみだりに軽々しくなすべきにあらず熟慮の上慎みてうやうやしく、紙を恐れてなすべし」
とのこと。(だいぶ長くなったな。おい)
つまり結婚は神の前に永遠の愛を誓うことであるが、この映画で問われているのは「永遠の愛を誓うって簡単に決断できるものなのか?」ってことである。
誰かを「めちゃくちゃ好き」でも「愛していても」気持ちは変化することもあるし、愛せなくなる可能性もある(もちろん好きな人と結婚する訳だから愛を継続する努力は大事。)
でもやっぱり絶対って言い切るのって難しいと私も思う。
そう考えると結婚の誓いって逆に「嘘つき」とか「不誠実だ」という風にも思えてくるのである。(断っておくが結婚や永遠の愛を誓うことに反対しているわけではなく、あくまでそういう考え方もあるよな。と思っているということである。)
ヒューが演じるチャールズは色男で女性ともたくさんお付き合いしてきたけど結婚にはおよび腰。でもそれって誰よりも結婚を真面目に考えているからじゃない?
あと、どれだけ愛があっても同性愛のマシューとガレスは当時の結婚制度では結婚できない。
そんなことを考えると「人を愛すること」と「結婚」することは必ずしも「イコール」ではないと思う。
つまりこの映画が言いたいのはそういうことではないか?(いや。絶対そうだ)
ラストのセリフもめちゃくちゃいい。
「結婚にこだわらないと。それでも決して僕から離れないと誓えるかい?」
「誓うわ」
私がこの映画の好きなところはもう一つあってそれは「役者の演技」である。
4つの結婚式と1つの葬式に通して登場するチャールズの仲間たちは本当に仲がよさそうに見えるのである。チャールズをみんなでだますときの車の中でのみんなの表情が本当に良い。
あとフィオナに恋心を打ち明けられた時の二人の切ない表情もお気に入り。(ってかずっとチャールズに片思いなんてフィオナが愛おしすぎる)
「なんでみんなの演技がこんなにいいのかな。」と思ったら、みんな目が光ってることに気づいた。
人を本当に思いやっているような目をしているのである。
この目の演技がこの作品にのめりこませてくれるし、彼らの友情に心を温かくさせられるし、作品にリアリティを出している、そんな風に思う。
やはり演技は「目」なのかもしれない。
あと最後に、タイトルについて。
原題は「four weddingand a funeral」つまり「4つの結婚と葬式」なのに対し邦題では「フォー・ウェディング」となっている。
おそらく、「フォー・ウエディング・アンド・ア・フューネラル」では「フューネラル」がわからないっていうのと、「フォー・ウェディング」だったらラブコメっぽいのでキャッチ-なのに対し「フューネラル」が入ると、どんな映画かわかりにくくなるということで「フォー・ウェディング」にしたんだと思うが、
「いや。フューネラルぐらい調べるし!」って思った。
結構、葬式のシーンも重要なシーンなので、タイトルから省かれているのは納得がいかない。
とにかく何回も見返したくなる、久々にお気に入りの映画だった。
そんな感じ。
(ちなみにこの映画を理解するのにこの記事↓がすごく参考になりました)
https://www.reviewanrose.tokyo/article/444048361.html