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探偵事務所23 くたばれ悪党どものfallenleavesのレビュー・感想・評価

3.2
私立探偵役の宍戸錠が金子信雄をはじめとする警察の協力を得て、暴力団から儲けをくすねるやつらに潜入する話。鈴木清順が監督しているので赤一色の部屋、ストーリーとは関係ないのに無駄に長いシーン(ダンスと歌など)、変なキャラクター、どこかよくわからない舞台などが出てくるのですが、プログラム・ピクチャー然としていて置いて行かれはしません。脚本も特に捻りがあるわけではなく、あまり何も起こらない潜入捜査ものです。なので『殺しの烙印』のようなものを期待して観るとけっこう辛いかと思います。笹森礼子はとても魅力的ですし、金子信雄の善玉(刑事役!)も新鮮でした。川地民夫、上野山功一が出ているのも良かったです。地下室に閉じ込められた宍戸錠が抜け出ようとする場面で懸垂で天井に這い上がるのですが、ここだけでも高い身体能力がわかり、宍戸が逸材だったことがわかります。地下室から助け出されるためにマシンガンで天井から地上に貫通する孔を開けるのですが、「そんなこと可能ですか⁉︎」と思ってしまいました。でもアイデアはおもしろく、絵面も映えていました。大藪春彦が原作ですが、アクションコメディなので、大藪春彦感がなかったです。でも確かに女性を殴るシーンはありましたね、あそこは大藪原作を感じました。
そしてなんといってもこの映画のハイライトは星ナオミと宍戸錠が「63年のダンディ」を歌い踊るミュージカルシーンでしょう。宍戸錠の微妙にリズムがずれる歌が味でした。なんとチャールストンのリズムで歌い踊ります。これだけでも観たいとは思いませんか。
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