探偵事務所23 くたばれ悪党どもの作品情報・感想・評価

探偵事務所23 くたばれ悪党ども1963年製作の映画)

製作国:

上映時間:89分

ジャンル:

3.8

「探偵事務所23 くたばれ悪党ども」に投稿された感想・評価

深緑

深緑の感想・評価

4.0
未だ見ぬ息子に「洒脱ってどういう意味?」って聞かれる奇跡みたいなシチュエーションがこの先万が一訪れたら、この作品を見せたいと思う。
清順らしさの萌芽となった作品。冒頭は米軍基地から流れた闇取引のトラックが疾走、そこへ何故かコーラの販売車が突入して激しい銃撃戦になる。コーラ瓶が粉砕して中身が流れる、そして車が炎上してタイトル。「火」と「液体」の主題が見事に示される。
清順らしさでいえばまず「赤」だ。川地民夫の愛人・楠侑子の部屋は真っ赤な照明だ。さらに星ナオミの赤いドレス、物語の季節がクリスマスなので赤い絨毯など赤いレイアウトが強調される、赤いヤカンも印象的だ。そして「ジャンプカット」本作では多用される。宍戸錠が川地民夫を尾行して楠侑子の部屋へ行く場面はジャンプカットが激しい。宍戸錠が階段を上がって来る廊下のタテ構図からいきなり川地民夫と楠侑子の真っ赤な照明のクローズアップだ。さらに部屋の中で川地民夫はサデスティックに楠侑子と揉み合いになるが、いきなりジャンプして抱き合う。この愛人の部屋は扉が向かいあって2つある不思議な間取りだ。さらに清順らしさは、ヤクザの事務所のシュールな設定だ。今回はガソリンスタンドの地下である。「野獣の青春」の映画館を彷彿とさせる奇妙な空間だ。階段が天井から下りてくる。悪役は必ず階段の上から降りてくる。「階段」は清順の重要な主題であり本作ではキャバレーの螺旋階段も何回か描かれる。シュールな設定といえば「教会」が登場する。宍戸錠の偽生家という設定だ。清順の他の主題は「壁」宍戸錠が信欣三に監禁される部屋は壁とベッドで、正対のシネスコ画面でカッチリと描かれる。そして「車」本作の主役は車ではないかと思われるくらいに車がよく走る。スポーツカー、コーラ販売車、ミキサー車、そして大型タンクローリーは武器輸送に使われる。
清順の物語は「監禁」からの脱出や「閉鎖集団」からの逃亡が多い。本作のクライマックスでは宍戸錠と笹森礼子がガソリンスタンド地下に監禁されてガソリンが注ぎこまれる。上から火を投げ込もうする信欣三と上下の撃ち合いになり、ガソリンに火が炎上する。冒頭の場面と呼応するかのように「液体」と「火」の主題だ。ここからが凄い。宍戸錠はマシンガンを天井に連射して地上の道路に穴を開けてしまう。煙が穴から噴出する。やたらエネルギッシュだ。「穴」も清順が好きな主題である。本作では殴り込み、撃ち合い、キャバレーの歌や踊りなどのエネルギッシュなモブシーンが多い。
「録音」や「声」も清順の重要な主題だ。極め付けは「ツィゴイネルワイゼン」のレコードの声だろう。本作では「盗聴」が重要な情報となり、録音された声が決定的になる。
撮影はアップが多い。
割れた鏡に笹山礼子の顔が映って復讐話が示される場面も印象的だ。
信欣三が不能の男という設定で、一筋縄ではいかない悪役を好演している。女が3人登場する。笹山礼子、星ナオミ、楠侑子。3人は多過ぎて、やや無駄遣いの感じがする。宍戸錠の手下二人、初井言栄と土方弘はやり過ぎ。
女を引っ叩くカットに驚いた。
くぁぁ!機転がきいて腕っ節も強いのに金がない探偵、宍戸錠!かっこよ!シビれるぅ〜
この1ヶ月ほど金子信雄出演作を結構見たけど、全部違うキャラクターだなぁ。8割方悪い奴だけど、今作は警部役で良いオヤジ。錠の助手の関西弁おばちゃん、初井言栄のキャラもコミカルで癖になるもっと見たい
虚構をいかに現実とmixできるか否かが、おもしろきことなき世をおもしろく、な精神とするならフィクションを大らかな嘘として享楽できたこの時代に鈴木清順が宍戸錠に巡りあったのはやっぱ必然だったのかもしれない 日本における探偵モノの雛型はここからなんだろう 中原弓彦の「日本の喜劇人」の醒めた道化師の世界の章を今一度読まれたし!
おもしれー!やたらと物量が投入されたカーチェイスとか銃撃戦とかを超ヒキで撮ってるのが独特。ガソリンスタンドの秘密基地加減も好き。笹森礼子が良い。宍戸錠のダンス!
潜入捜査だが、バレてるので騙し合いする映画。コミカルで軽いノリが楽しい。

星ナオミと宍戸錠が歌うミュージカルシーンは、ハリウッド50年代作品にも負けない。撮影=峰重義。ロケもオープンセットも遠景から近景まで抜かりのない画面構成がスゴイ。神父の親父(佐野浅夫)が協力するとこ笑える。実家が埼玉なのね。無国籍アクション...っつーより、法的にここ日本じゃねーだろって描写が開き直っててよい。クライマックス、暴力団×2と犯罪組織、警察が集結したところで、「あとはヨロシク」的に熊谷警部(金子信雄)に丸投げして女のところに行く宍戸錠...最高。改めてご冥福をお祈りいたします。
見直し。

ああ楽しい。ただ次作の『野獣の青春』と比べる(そっちのが先に観たもので)とやや物足りなさが。
G

Gの感想・評価

4.4
ああこういう作品だけを見続けて永遠に現実逃避したい…ただただ愉快で軽薄。なんて素敵なんだろう。動く宍戸錠を捉えるだけでこんな素敵な映画が生まれる奇跡。突如挿入されるミュージカルシーンの適当っぷりよ!冒頭ほとんど台詞のない銃撃戦からタイトルバックになるオープニングが最高にかっこいい。
浮き草

浮き草の感想・評価

4.7
最高。

笹森礼子。泣きたくなるくらいいい女。いいドラマ。
銃撃。撃ちまくるジョーさん。躍り歌うジョーさん。脚長すぎ。
素晴らしいキャラクター造形。各種いる悪党どもの描き分け。騙し合い。チャールストン。神父やらホステスやらたくさん出てくる。
モダンさ!
清順の娯楽の才能。音楽チョイスのセンス。

何も考えずにまた観ること。
赤の照明、突然のジャンプカット、奇抜なアイデアと銃撃シーンのスローテンポなちぐはぐ音楽とか、アイデアが溢れて爆発しそうな予感がぷんぷんする。
キャバレーのダンスがダサかっこよくて最高。パルプフィクションのトラボルタやん
>|