かねこ

深夜の告白のかねこのレビュー・感想・評価

深夜の告白(1944年製作の映画)
3.5
恥ずかしながらフィルムノワールという映画のジャンルを初めて知りました。犯罪映画でなおかつファムファタールが登場する映画のことを指すようです。
今作はフィルムノワールの傑作。
傑作と呼ばれるにふさわしい面白さ。

ビリーワイルダーといえば、「アパートの鍵貸します」や「麗しのサブリナ」などコメディ要素のあるラブロマンスというイメージでしたが、こういったサスペンスも監督していたとは。
そういえばワイルダーは「サンセット大通り」も監督していて、今作は結末から入る点や、主人公が語り部となっている点がサンセット大通りと被る。
オープニングの人影と迫ってくるような音楽が恐怖を煽ります。
そして主人公が事件を同僚に語る形で物語が進んでいく。
保険外交員のネフと夫に不満を持つフィリス。
フィリス役のバーバラスタンウィック、どこかで観たような気がする女優さん。明るい役のイメージとは裏腹に悪女役に挑戦したらしい。この役のために鬘を自ら選んで着けたらしいけど、この鬘がハマってなくてなんか違った、。でもお顔が小さくて美しい人。
主演のフレッドマクマレイはファムファタールに翻弄される男。賢そうなのに犯罪に手を染めてしまって、なんかもったいない。
主演よりも同僚キーズ役の俳優さんが強烈すぎて印象的だった。

あれだけ巧妙に仕組んでも結局はバレるんだから、世の中どんな犯罪も成立しない気がする。こういうサスペンスってなぜか主人公に感情移入してしまって、バレないでー!とハラハラしてしまうんですが、、そう思わせる演出が巧いですね。
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