kaitomo

アヒルと鴨のコインロッカーのkaitomoのレビュー・感想・評価

4.1
謎の隣人に出会い、わけもわからず本屋を襲撃することになる…と、序盤はコミカルに進んでいくが、その裏には痛ましい事件が隠されていて、なかなか胸が苦しくなるような展開になっていく。
胸糞な部分もありつつ、どこか爽やかで儚げな印象。当時、伊坂幸太郎の原作も大好きだったので不安を抱えながら観にいったが、今になっても伊坂作品の映画版では一番の良作だと思っている。
椎名の事件への巻き込まれ方とか、ペットショップ店長の位置付けとか、種明かしが丁寧すぎるところとか、微妙な部分もあるが、雰囲気作りが巧くいっているのでさほど気にならない。
親しみのあるキャラクターを演じる濱田岳も良いし、何より瑛太の絶妙な演技が巧くミスリードを生み、映画のクオリティを上げている。松田龍平も後から出てきて最高にインパクトを残した。
別の視点から描かれる「出会い」のシーンに涙腺を刺激された。
#三回目ぐらいの鑑賞
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