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アヒルと鴨のコインロッカーの枦本のネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

予想とはかなり違ったテイストだった。
思ったより暗く 主人公の濱田岳が ほぼ何かをすることはなく 視聴者と同じ 観測者として存在しているのが少し新鮮だった。

瑛太の演じるキャラクターが 外人だと思われると舐められると思いひた隠しにしてきた自分の正体を明かしたとき、主人公が言う第一声が「きっと遠い国なんだろうね」だったことが 主人公の優しさを感じて すごく良かった。
責めるわけでもなく 怒る訳でもなく 多くを悟り 壁にもたれかかるシーンがとても印象に残った。

良い意味で伊坂幸太郎らしくなくて良かった。
別に嫌いではないが いつもあるような 少しくどい伊坂幸太郎節もあまり感じられず 扱うテーマも想像以上に重たかった。他にも重たいテーマはあるにはあるが ここまで救いのないイベントが続くのは珍しいように感じた。

エンドロールも皮肉の聞いた2つ名が付いてて ちょっと面白かった。

伊坂幸太郎の作品はいつも故郷への愛を感じるが 今回のに関しては なんか愛憎混ざってそうな雰囲気が個人的に観てて感じた。
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