ちゃんた

FAKEのちゃんたのレビュー・感想・評価

FAKE(2016年製作の映画)
4.2
2014年に新垣隆氏による告白により発覚したゴーストライター事件の当事者である佐村河内守氏を追ったドキュメンタリー映画。オウム真理教を追った映画「A」「A2」を見て面白かったので、同じ森達也監督であるこの作品を見たんだけど、見事に裏切られた。ドキュメンタリーでありつつも、作り物のような視聴者を煙に巻くような流れで、終始心がザワザワする展開だった。

とにかくフェイクというタイトルがふさわしい内容だ。マスコミもジャーナリストも新垣氏も、そして佐村河内氏も。マスコミやテレビは疑って見ないといけないし、彼らと会話するのも注意しなければいけないなと思った。多分誰も嘘をついているなんて思ってもいない。空気を吸って吐くようにフェイクが生み出されていることが良く分かる。

そして新垣氏と佐村河内氏が、ただの嘘つきではなく、注目を引くべき天性の何かを持った人達なんだなと感じた。特に今回の主役である佐村河内氏は人懐っこく感じのいい人である一方で、どこか信用出来ない行動をとることがありモヤっとさせる。しかも他人に害を与えるわけでもないので、ますますモヤっとする。テレビで使いたいけど使いこなせないキャラを、この作品は上手く生かしたと思う。

最後に佐村河内氏のキーボードとスピーカーが私の持っているものと全く同じ構成だったのが面白かった。
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