ATSUSHI

月に沈むのATSUSHIのレビュー・感想・評価

月に沈む(2002年製作の映画)
3.1
浜崎あゆみの名バラード『Voyage』の長編ミュージックビデオ。共演に伊勢谷友介、行定勲監督による短編仕立てとみるとAyu全盛期の大仕事ぶりに改めて鵜呑みが下がる。

4日遅れまして、Ayuデビュー23周年&『A BALLADS 2』リリースをもってピックアップ!


しかし、18年ぶりのバラードベスト登場ってだけても胸熱なのに

CAROLS
Together When...
Zutto...
Moments
beloved

のような名バラードから

HOPE or PAIN
momentum
forgiveness
Life
TODAY

より評価されるべき良作がピックアップされているのはファンとして嬉しい限り。
締めにはまたして18年ぶりのユーミンカバー『春よ、来い』もシモ子先生によるMV化も目を張ってしまう。過去作でいう『part of Me』『GREEN』のような世界観をまた貫いてくれるところもまた感動。

嬉しい反面、前バラードベストの完成度の高さからすればどうしても残念に思う節もあり。
過去作の寄せ集めじゃなくてニューアレンジ、Rebirth Mixが聴きたかったなぁと。ジャケに関しても前作の世界観を一貫させてほしかったし、2人のAyuが18年を経てどうなったかも見てみたかった、とかファンだからこその無念も混じって喜び切れないのも本音。


そろそろ本作に話を戻し、

日光が差す静かな精神病棟にてひとり佇むAyu。毎晩のように悪夢に苦しむ彼女はどうやら前世で不幸を抱いたまま亡くなっていった…
というのが大まかな物語。

あくまでプロモーションビデオの延長線。物語展開はほぼ台詞で説明してくれることあって、結果として下手に映画っぽさを求めるには向かない企画だったといえる。
悪い意味で引っ掛かる箇所がいくつかあったなかでも、一番衝撃だったのはめちゃくちゃ血迷った香川照之(笑)

それでもビッグバジェットが動いてるのが見て分かるように美術は素晴らしく、血の涙とともに紅く染まる月、何よりラストのAyuの穏やかな表情が印象的だった。


(もう一脱線…)
近年のAyuといえばLGBT支援にも力を入れていて、ダンサーやコーラスメンバーにも参加させている処に彼女の本気が伺える。突然の出産報道から母となった彼女、今後の歌詞でどうような言葉の重みを持たせるかにも注目していきたい。