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狂った野獣のcatmanのレビュー・感想・評価

狂った野獣(1976年製作の映画)
5.0
1976年公開。すげえ面白え!よく練られたプロットが秀逸で特に個性豊かな人物設定が最高。バスジャックされた小市民(乗客)たちのクセの強さはあの『サブウェイパニック』を上回る。誰も彼も邦画特有の絶叫演技がずっと続くのがちょっとしんどいんだけど、怒涛の展開にそれも段々と気にならなくなる。何よりユーモアが豊かで良い。本作でひとりクールな星野じゅんもすこぶる魅力的で、胸元が大胆に開いた黒のライダースファッションで大型バイクを颯爽と乗り回す姿がめちゃめちゃカッコイイ。まるで峰不二子。バイクの後部席から渡瀬恒彦が並走するバスへ飛び移るシーンは二人ともノースタントでやり切っていて度肝を抜かれた。渡瀬は他にも危険なスタントに自ら挑んでいて身体能力の高さに目を見張る。マジ半端無い。

次から次へとクラッシュの数が夥しいカースタントも痛快で圧巻。マッドマックスやブルースブラザーズのそれに比肩すると言っても過言じゃあない。暴走する路線バス、それを追走するパトカー&白バイの集団という画が最高。終盤はド派手なスタントのつるべ撃ちで息つく暇もない。観客を一瞬でも退屈させないぞっていう作り手の熱意がビンビンに感じられる濃密な78分。シリアスとコメディの配分も絶妙。VIVAプログラムピクチャー!

以下殿堂入り
・ニワトリがバスの中を飛び回るカオスなスロー映像・執念深くバスを追いかけ最後は笑撃的なオチ(ダーティハリーのオマージュ?)を見せる室田日出男の白バイ警官・パクった酒屋のチャリでバスを猛追する渡瀬恒彦・車窓から放尿してパトカーに撒き散らす小学生、そのほか諸々!
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