みおこし

ライアー ライアーのみおこしのレビュー・感想・評価

ライアー ライアー(1997年製作の映画)
3.6
敏腕弁護士のフレッチャーは弁がたつことを武器に、どんな案件も巧みに嘘をついて無罪を勝ち取っていた。プライベートでも嘘をついてばかりで、妻のオードリーは愛想を尽かして出て行ってしまった。傷ついた息子のマックスが「パパが一日だけでも嘘をつきませんように」と自分の誕生日の願い事をしたところ、フレッチャーは絶対に嘘がつけなくなってしまい...。

オーバーリアクションなコメディって、時にあまり笑えなかったりもしますよね。しかし、ただ表情や動きだけで爆笑をかっさらえる天才肌のコメディアンが中にはいて、ロビン・ウィリアムズ然り、ジャック・ブラック然り、そしてジム・キャリーもまさにそんな逸材なのかなと...。本当に常人とは思えぬ彼のリアクション芸、画面に登場しただけでもはや反則!(笑)しかもダブルのスーツを着こなしちゃうあの抜群のスタイルと、ハンサムなお顔立ちの彼があそこまでの激しい芸を披露するから尚更面白い...!

本作では、嘘がつけなくなったフレッチャーを演じているジム・キャリー。普通こういうちょっとファンタジックなお話にはVFXが欠かせませんが、本作のすごいところはほぼそんなものを使わずに、ジムの神がかり的な演技(おふざけ?笑)だけでそれらの描写が成立しているところ。彼の代表作の『マスク』『ブルース・オールマイティ』でさえもVFXを多用しているのに!
青いペンを指差して「これは赤だ」と嘘をつこうとするシーンがその真骨頂、CGなしでひたすら謎の呪いに振り回される様子を表現していて爆笑必至です(笑)。
全編通してハイテンション炸裂なので、実際にこんな人がいたら絶対疲れるなと思いつつも、久々に声を出して爆笑してしまいました。『マスク』は個人的オールタイムベストなのに、なぜ今まで観てなかったんだろう。
ジム・キャリー好きにはたまらないはずなので、彼のコメディのファンは必見です!

それにしても、大人になってから嘘を合理的につかなければならない場面にも多く出くわすようになりました。いつの間にかそれが当たり前になっているのが怖い...。
そんなシビアなメッセージもこもった作品だったので、笑えるだけでなく色んな意味で最後まで楽しめる作品でした。
みおこし

みおこし