遊想陸

懲役十八年の遊想陸のレビュー・感想・評価

懲役十八年(1967年製作の映画)
3.5
安藤昇という稀有な存在感の役者を得て、笠原和夫は「変わりたくないんだ!」と冷徹に言い放つ特攻隊崩れの漢をスクリーンに創造した。そこには「仁義なき戦い」では「脇役にしかなりえなかったヤクザ」たちとは違い、笠原和夫が描きたかったに違いない”戦争を経験した男”の肖像がある。落ち込む戦争未亡人たちに、「自分を救えるのは自分ですよ」と鋭い眼光で説く安藤昇には、たしかに戦争という暴力をくぐり抜けた男の佇まいがある。
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