すあま

トゥルーマン・ショーのすあまのネタバレレビュー・内容・結末

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

設定自体は奇抜だけど、内容というかトゥールマンの気持ちはかなり共感できた。

トゥルーマンが管理された町を抜け出したいと思ったように安心安全な場所を捨て、自分の未知の世界飛び出したいという冒険心は人の普遍的なものだ。

しかし本当に今いる世界を飛び出し、ここでないどこかへと向かうのは簡単なことではなく多くの葛藤がある。

仕事や金銭的な問題に始まり、親、配偶者、友達を捨て、地理的な問題、過去のトラウマを乗り越えても、最後は自分の頭の中にある未知への精神的な恐怖を乗り越えなければならない。

人が未知へ向かう際の関門を網羅的に扱いながら一つのストーリーにしてるのがこの映画の上手いとこだと思う。

また最後のシーンで監督が父親的な感情を出すのと反対に、トゥルーマンが観客を意識したスターの振る舞いを見せるのは対比がバチッと決まっていてカッコいい。

綺麗な青空の壁を抜け、どこに続いているか分からない真っ黒の壁に消えていく後ろ姿はこの映画のラストとして最高。ハッピーエンドなのに何故か泣けるね。
すあま

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