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トゥルーマン・ショーのNのネタバレレビュー・内容・結末

トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

その生涯をテレビショーの企画としてさらされ続ける男の話。まるで喜劇だった。こどものころ実は自分の周りに自分が監視されているような”妄想”をしたことがある。主人公は、周りの可怪しさにだんだん疑惑を抱き始めて、そして旅に出た。制作スタッフは邪魔をする。天候まで変えられるセットの中で、必死に抵抗し、トゥルーマン・ショーを作り上げたディレクターの世界から脱却をする。その抵抗に視聴者は感情移入して感動する。自分までその視聴者の気分にさせられた。こうして感想を書いていると映画の趣旨がつかめていない気になる。トゥルーマン・ショーはなんの比喩だったのか。他人の人生をパパラッチして、笑いものにする、”視聴者”への強烈な皮肉なんだろうか。すべてを覗いて、支配しているつもりでも、その被支配者は反抗という牙を剥き、まやかしの支配の外へ出ていってしまう。
私達が見て、楽しんでいるテレビは視聴者のものではないのだろう。
この映画を見たあとは、ワイドショーがとてつもなく醜悪に思えてくる。
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