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萌の朱雀のかずシネマのレビュー・感想・評価

萌の朱雀(1997年製作の映画)
3.5
「じゃんけんホイホイどっち出すの〜こっち出すの〜ビームフラッシュ!」が懐かしすぎて吐きそう。

最初、あのお兄ちゃんは実のお兄ちゃんなのかと思っていた。従兄弟だった。
ほわほわとした雰囲気なんだが、作品が言っている事はリアリズムの塊。
お父ちゃんには踏みとどまってほしかったという前提はあるが、あの絶望は理解できるよ。
そしてばあちゃんの決断は優しくも絶望を孕んでいる。

山の斜面に家や畑のある、ロケ地の西吉野村(今は五條市に編入されて名義は村では無くなっている)ととてもよく似た風景の過疎地は自分の地元にもある。
車で2、3時間も走ればある。
逆に言えばそう、車があれば何とかなる。
高齢者の免許返納が話題になった時期があったが、車が無ければどうにもならない地域も多くある。
運転できるうちは成り立つが、それが難しくなった時の問題は山積み。
過疎地でなくとも、車は1家に1台でなく1人1台が普通な地域だって多いはず。
公共の交通機関を使えばいいったって、そもそも近くにそれが無く、それに乗りに行くまでに車が必要だったりする。
パンが無ければお菓子を…と同じ。
個人や企業のIターンを促して人口増加に成功している過疎地もうちの地元にはあるんだが、何処でもそれが成功する訳ではないしなぁ。。
他には独自の企画をして観光客を呼び込んだり。
でも、長期的に見て安心できるには、どうすればええんやろな。

食事をとっていた部屋からの景観が見事だなぁ。風鈴もいい感じ。
木々の間を歩く場面がどれもとっても綺麗。
あと景観は綺麗だったのだけど、尾野真千子が屋根の上に座っているシーンは若干高所恐怖症気味の自分には怖かったw

祭りのシーンはゲリラ撮影だったのか?
「カメラ持っとるー」という子供の声が入ってた。

尾野真千子はとても初々しかった。
演技初挑戦とは思えないくらい(若しくは初めてだからか)、とても自然な場面が多かった。
逆に物凄く頑張って演技してるなぁと思うシーンもあった。可愛らしい。
彼女は横顔が綺麗なんだな、と思った。
監督はよく声をかけたねぇ。
「見つけた!」と思ったのかもなぁ。
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