萌の朱雀の作品情報・感想・評価

「萌の朱雀」に投稿された感想・評価

田舎の実情に揺れる恋心。



ある山村で代々林業で生計を立てている孝三は、母の幸子、妻・泰代、娘のみちる、泰代の姉が置いていった栄介と暮らす。

15年の歳月が経ち、中学生になったみちるは、栄介に恋心を抱くようになるが、一方の彼は泰代に叶わぬ想いを寄せていた。

そんな中、月日とともに村は過疎化、鉄道を通すためのトンネル工事計画にも陰りが指す。



最近よく耳にする「地方活性化」、それが過疎化対策であることは言うまでもない。

どんな場所にも何かしらの魅力がある。

物語の舞台であるこの山村にも、緑豊かな自然が広がり、観るものの心を奪う美しさがあった。

ただし、実際に住むとなると話は別だ。

「田舎」で暮らす闇も描いた作品。
鉄道開通の予定が中止となり、山村に残った無用のトンネル。
トンネルの映像がこんなにも美しいと思ったのは初めてだと思う。
目に痛いほどの夏山の濃い緑。そして、少女が従兄弟のお兄ちゃんに寄せる、淡く一途な恋心は胸が痛むほど。
尾野真千子の初々しさと凛とした佇まいに痺れた。

むかしおばあちゃんの家に行った時の安心感と退屈と自然の強さ。そんなものを思い起こさせる作品だった。
まこと

まことの感想・評価

3.7
「あん」「光」

河瀬直美監督作品はこの二つしか観たことない

いやいやそれではダメだろうと、自分を戒める意味で現在彼女の過去作品を強化中

彼女が撮る映画は独特の中の独特

是枝監督にも言えることですが、極々普通の淡々として地味な日常の中に自然や四季といった日本が幸運にも授かった産物が織り交ぜられていて、そこにグッとくるものがいつもある

自然や四季を大切にする日本人という国民性と彼女の映画観とが容易に結びつくのは偶然とは思えません


尾野真千子は当時中学三年生でしたが、地元の中学校で靴箱の掃除をしていたところが河瀬監督の目にとまって今作で映画デビューという、我が耳を疑いたくなるような僥倖ストーリーの持ち主


あと縁側って最高です、日本家屋の最も傑出した部分だと思います
小さい音で観ていたので人間関係がわかっていなかった
notitle

notitleの感想・評価

3.8
過疎化の進む、山奥の小さな村に住む家族の記録。
儚く、叙情的で、懐かしい記憶のような映像美。光と陰の具合がとても素敵で繊細。多めの余白と静寂に引きずり込まれそうになる。日本家屋、縁側って本当に素晴らしい。
美しい映像の中に流れる音楽が優しい。

ドキュメンタリーっぽい映像も時々あって観ていて不思議な感じがしました。

お兄ちゃんに淡い恋心を抱いている尾野真千子さんの演技が切なく可愛いかった。
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

2.0
2009/5/19鑑賞(鑑賞メーターより転載)
美しい映像や印象的なシーンが点在しているが、それらが切り取られず主人公一家の普段の生活含め全部垂れ流されている感じ。家族構成も明示されずストーリーの前に人間関係を理解するのにも時間がかかる。おまけに全員ぼそぼそ喋りでヒアリングの集中力も必要。田舎のゆっくりとした時間軸に心癒される点はあるが、それ以上に映画という商業パッケージで伝える仕事の跡が何ら感じられないストレスのほうが強かった。カンヌで絶賛されたのもわかるが...映画は脚本が命の自分にとっては構成は0点、ただ雰囲気はよいのでこのくらいの評価。
MEG

MEGの感想・評価

3.8
登場人物の会話がゆっくりで穏やかだったので時が経つのがゆっくりに感じた。
音楽が綺麗で風鈴の音が印象的
昔の日本の田舎の生活ってこんなんなんだねー
ー

ーの感想・評価

3.8
西吉野の情景が美しい

会話が聞き取りずらい。家族構成がよくわからない。

けれどそれを差し置いても、古き良き日本の生活と、過疎地に住む人たちの声が見るものに響く作りになっている。
場面1つ1つの余白が多い、なんだか観終わった後に寂しいような、なんとも言えない気持ちになった。
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