萌の朱雀の作品情報・感想・評価

「萌の朱雀」に投稿された感想・評価

屋根の上、思い出。
日常の豊かさ、美しさ。
河瀬直美監督と同じ場所で観れた。
河瀨直美監督の原点とも言うべき、劇場映画第一作。
奈良県の小さな過疎の村を舞台に、ある家族の人間模様を瑞々しい映像感覚で描いている。
河瀨監督は、この作品で、カンヌ国際映画祭のカメラ・ドール(新人監督賞)を史上最年少で受賞。
尾野真千子のデビュー作で、監督は学校で見かけた彼女に声をかけ出演依頼した。

山間の小さな村。奈良県の恋尾。
過疎が進み、村に鉄道を通す計画も中止になる。
そこで慎ましくも穏やかに暮らす田原家は、
孝三(國村隼)と泰代(神村泰代)の夫婦、
その娘のみちる(尾野真千子)、
孝三の姉が残していった息子の栄介(柴田浩太郎)、
孝三の母・幸子(和泉幸子)
の五人家族。
高校生になったみちるは、幼い頃から兄のような存在であった栄介に恋心を抱いていた。
一方、旅館で働く栄介は、長く「姉ちゃん」と呼んできた泰代に思いを寄せていた。
充ちるは、母に嫉妬心を覚える。
トンネル工事に従事していた孝三は、鉄道計画中止を知らされ、気落ちして失踪。
遺品である8ミリカメラが、警察から、残された家族に届けられる……。
泰代は、村を去る決心をする……。

河瀨直美監督は、セリフを極力排除し、虫の声、雨や雷の音、自然の光などをうまく使い、ドキュメンタリータッチで、登場人物の揺れる心に寄り添うような撮り方をしている。
田舎や子どもの頃への哀愁、家族のぬくもり、別れの悲しみなどを静かに表現する、豊かな映像感覚を味わいたい。
R

Rの感想・評価

4.0
河瀬監督の作品は苦手なんだけどこれは例外的に良い、撮影監督の田村正毅に依るものが大きいと思う
R

Rの感想・評価

3.3
過疎化の進む田舎町で、家族離散の物語。

この映画で素晴らしいのは「緑色の光に輝くトンネルの中の風景」、「吊り橋を渡るバイクの風景」、そして「山々の緑をはじめとする自然の風景」。

尾野真千子が、この映画でデビュー。
河瀨直美監督の輝く映画であるが、かなり私的であり、詩的でもある。
17時15分

17時15分の感想・評価

3.9
あー夏
でも字幕ほしい せめて
本当にせめて

序盤のご近所さんの老人ホームの話は田舎あるあるすぎてかなりリアルだった
河瀨直美監督の長編デビュー作で史上最年少にてカンヌ映画祭カメラドール受賞作品です。
本作は國村隼さん、尾野真千子さんも出ていて本作が尾野真千子さんのデビュー作なんですね。


監督も奈良出身で奈良で撮影した作品です。
村の過疎化と少女の淡い恋を描いてる作品ですね。

奈良の山奥の村で撮影しているだけあって、めちゃくちゃ映像の美しさは際立ってます。
光の捉え方も美しくて風景だけで90分強持つくらい綺麗です。
ですが、ストーリーは薄い。字でいうと【うぅすぅぃぃ…ぃ】


台詞が少ないので何が起きたのか分かりにくい。
家族構成から分かりにくくて、映画の序盤にお兄ちゃんと妹が出てきたのかなぁと思ったら、お兄ちゃんの方がお母さんに対して「お姉ちゃん」と言っているから、どういう事🤔って思ったら正しくはお兄ちゃんの方はいなくなったお父さん(國村隼)の姉の子供なんですね。
で、後に尾野真千子になる妹とは兄弟の様に育つけど、実際は従兄妹の関係性なんです。

兄弟が大人になって恋心がそれぞれに芽生えるんですが、そこをキチンと整理しないと兄妹で恋愛?って勘違いしそうになる。

それともっと大事なのがお父さん(國村隼)が急にいなくなって夜に家族が警察から電話があって駆けつけるんです。
その後、家族は憔悴した表情を見せるんです。
で、電話がかかってきたシーンなんですけど、お兄ちゃん(大人になった)が電話に出るんですけど、よく聞こえないんです。
ハッキリとお父さんが死んだっていう情報がないんです。死んだっていうのも僕が後であらすじを見て「やっぱり死んだのか?」って思ったんであって映画では語られないし、葬儀のシーンも無い亡骸と会うシーンも無い。
唯一、おばあさんが縁側に座ってる時に仏壇の蝋燭に火がついていたんです。
それで死んだのか?って思ったんです。それまではお父さんは何か事件を起こして逮捕されたのか?とも思いました。
死んだんなら警察に向かう理由も分かりにくいし、病院に行った方が分かりやすいですよね。
セリフで説明したくないのなら、説明無くても分かるようにしないとダメですね。

カンヌ映画祭で評価されたのは、恐らくはこの分かりにくくて、台詞が少ない映画を字幕でちゃんと説明したのかもしれませんね。


台詞が極端に少なくて分かりにくいはずなのに観れる理由は景観と尾野真千子さんの可愛さですね。
尾野真千子さん大好きなんですよ。
ホントにこの人の顔が可愛くてね😍
デビュー作なのにこんな難しい映画で結果出すって凄い事だと思います。
slow

slowの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

父と母が好んでよく聴いていたレコードの、ピアノの音色がわたしは好きで、何よりそれを家族で聴いている時の、あの優しい時間が大好きだった。村を離れて暫く、母との何気ない会話の中で、当時の思い出が風鈴のように鳴ることがある。
あんたがピアノを弾きたいって、せがんで泣いて。お父さんがおもちゃの鍵盤を買ってきてくれた時、本当嬉しそうに喜んで。その日は片時も離したがらんで、お風呂にまで持って入ろうとしたんよ。覚えとるけ?うちは叱ってしまったけど、お父さんは呆れながら好きにさせ、って。でも、うちらは嬉しかったんよ。みちるが喜んでくれて。それだけで良かったんよ。背を向けたまま嬉しそうに話す母を見つめながら、わたしは、うん、うんと、相槌をうっていた。わかっていた。あの頃のわたしにも、怒ってなかったことくらい。あの時もちょうど今と同じ。きっと同じ顔をしていた。断片的に思い出せる、家族の時間と、その風景と。わたしは多分、その音色というより、その優しさに触れたかったんだ。
あのレコードに良い思い出ばかりがあったわけじゃない。わたしも母も、そんな話はして来なかった。夢は幻となり、後には空洞だけが残されて、起きては眠り、眠っては起きるように、それを行ったり来たりする日々だった。瞬きでさえそうじゃないかと思えた。今はもう、家族を愛しながらも、あるところでは一生許せないのかもしれないと、先に言葉にできてしまうから、だから、わたしたちは話さないのかもしれない。それを想いと言ってしまうのはズルいことだろうか。わたしは昨夜、百景などと持て囃されても何とも思わない、ありふれた風景のひとつになり、かくれんぼする子供たちを見守る白い小さな花になる夢を見た。これは幻ではなく、郷愁と言うのだろうか。太陽の音が子供たちの声に応える。それは母の笑い声だった。
matool

matoolの感想・評価

3.1
昔よくわからなくて観直したシリーズ。これはやっぱり難しい。他の観る元気がしぼむ。
「じゃんけんホイホイどっち出すの〜こっち出すの〜ビームフラッシュ!」が懐かしすぎて吐きそう。

最初、あのお兄ちゃんは実のお兄ちゃんなのかと思っていた。従兄弟だった。
ほわほわとした雰囲気なんだが、作品が言っている事はリアリズムの塊。
お父ちゃんには踏みとどまってほしかったという前提はあるが、あの絶望は理解できるよ。
そしてばあちゃんの決断は優しくも絶望を孕んでいる。

山の斜面に家や畑のある、ロケ地の西吉野村(今は五條市に編入されて名義は村では無くなっている)ととてもよく似た風景の過疎地は自分の地元にもある。
車で2、3時間も走ればある。
逆に言えばそう、車があれば何とかなる。
高齢者の免許返納が話題になった時期があったが、車が無ければどうにもならない地域も多くある。
運転できるうちは成り立つが、それが難しくなった時の問題は山積み。
過疎地でなくとも、車は1家に1台でなく1人1台が普通な地域だって多いはず。
公共の交通機関を使えばいいったって、そもそも近くにそれが無く、それに乗りに行くまでに車が必要だったりする。
パンが無ければお菓子を…と同じ。
個人や企業のIターンを促して人口増加に成功している過疎地もうちの地元にはあるんだが、何処でもそれが成功する訳ではないしなぁ。。
他には独自の企画をして観光客を呼び込んだり。
でも、長期的に見て安心できるには、どうすればええんやろな。

食事をとっていた部屋からの景観が見事だなぁ。風鈴もいい感じ。
木々の間を歩く場面がどれもとっても綺麗。
あと景観は綺麗だったのだけど、尾野真千子が屋根の上に座っているシーンは若干高所恐怖症気味の自分には怖かったw

祭りのシーンはゲリラ撮影だったのか?
「カメラ持っとるー」という子供の声が入ってた。

尾野真千子はとても初々しかった。
演技初挑戦とは思えないくらい(若しくは初めてだからか)、とても自然な場面が多かった。
逆に物凄く頑張って演技してるなぁと思うシーンもあった。可愛らしい。
彼女は横顔が綺麗なんだな、と思った。
監督はよく声をかけたねぇ。
「見つけた!」と思ったのかもなぁ。
まるこ

まるこの感想・評価

3.8
賛否あるだろうなとよくわかる映画。
まるでドキュメンタリー。
私はハマったな。
尾野真知子さんデビュー作。
河瀬直美監督が下駄箱でスカウトしたんだっけな。
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