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ポチの告白のktyのレビュー・感想・評価

ポチの告白(2006年製作の映画)
3.5
195分と長いけど警察だけでなく日本の構造的な問題に光を当てた力作。
そんな腐敗を観てみたい方だけにオススメ。

『日本の一番悪い奴ら』は北海道警の実際の汚職事件を元にしてエンターテイメントとして花のある作品だった。

しかし本作はそれに比べて地味。
強引に二時間に収めず三時間超となったのは、主演の警察官から刑事を演じる菅田俊が変わっていく様子を丁寧に撮るためやむを得なかったのだろうか?

妻役の井上晴美の不憫な姿、チンピラを演じた川本淳市のならず者にピッタリの色気、そして菅田の後輩の刑事役の野村宏伸、彼は80年代はアイドルだったけど、本作では凄く冷静で熱く菅田をサポートする組織人の演技が素晴らしく、無頼な菅田と好対照であった。

音楽は極力抑えめで、ここぞというときにさらっと流したのも潔い。

個人的には、27万人の全ての警察官が、こんなに悪いわけではないでしょう。
良作か駄作かは、観客の経験次第か?

最後のシーンの内容はカットして三時間に収めた方が良かった。
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