ktyさんの映画レビュー・感想・評価

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海の上のピアニスト(1998年製作の映画)

4.5

『タイタニック』の翌年1998年公開、豪華客船と人間模様の交錯する、イタリア完全版。

実生活では体験できない世界、夢を見させてくれる名画のよう。どこで切っても構図の中に目を引くものがある。映像に妥協
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とべない風船(2022年製作の映画)

4.0

誠実であるほど生きづらい今の世相。
娘役の三浦透子と憲二役の東出昌大の、正直に生きることの悲しさを上手く伝える演技。
それを包み込む温暖な瀬戸内の空気感。

黄色い風船は、人と自然の間に存在する特別な
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夜の大捜査線(1967年製作の映画)

3.9

1960年代後半ミシシッピー州の田舎町で殺人事件。駅に居合わせた黒人のティップスは誤認逮捕される。彼はフィラデルフィアの刑事で、警察署長のサムは、彼に捜査協力を依頼する。

ティップス役シドニー・ポワ
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コンドル(1975年製作の映画)

3.5

1975年のニューヨークの汚い雑踏とデカいアメ車、今は無き貿易センタービル、、、『人間の証明』を観て以来、この混沌とした雑踏が映画に似合い過ぎ。

CIAの末端組織で本の分析を行う7人の同僚が襲撃され
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武士の献立(2013年製作の映画)

3.8

加賀藩の料理を担当する舟木家に嫁いだ春は料理の腕前は確かだが出戻りだった。春を演じる上戸彩を「古狸」呼ばわりする安信役の高良健吾。😕上戸彩のアヒル口は、たぬきにしては可愛いすぎる。🙂

夫を助ける彼女
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悪坊主侠客伝(1964年製作の映画)

3.3

今朝、週刊文春で「意外性に満ちた一本」と紹介。めくらの坊主が悪人を斬りまくる作品。

主演の近衛十四郎は戦前から戦後にかけて活躍した「日本映画史上最も殺陣の上手い役者」と評された。息子は松方弘樹。
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

4.5

 爆音とレーサーのドライビング・テクニックと大観衆の歓声を、劇場で「体感」する作品。

レースのシミュレーションゲームのゲーマー、「シムレーサー」が本当にレースに参戦し、本物のレーサーを抜かしていく痛
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クインシーのすべて(2018年製作の映画)

4.3

The power of music as a tool to reach the hearts and minds of millions of people
マイケル・ジャクソンの『スリラー』など
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トエユモイ(2021年製作の映画)

3.3

若い女性二人が同棲いやルームシェアするコロナ禍の友情物語57分。

クスッと笑える小ネタの波状攻撃と軽快な劇伴のユルイ作品。

ボーっと観るのに最適。

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.3

震災が題材と聞いて劇場には気が向かわなかった。でも配信開始されたら、すぐに観ようと決めた。

新海誠のアニメは登場人物以上に背景が美しい。雑踏も内装も新幹線もコンビニも。

現実世界より華やかなパステ
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選ばなかったみち(2020年製作の映画)

3.8

ニューヨークに住むメキシコ人移民レオ(ハビエル・バルデム)は作家であったが、認知症を患う。そんな父を世話する娘のモリー(エル・ファニング)。介護の24時間を描く作品。

レオの心の中の思い出という過去
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約束の宇宙(そら)(2019年製作の映画)

3.6

フランス人の女性宇宙飛行士が、過酷な訓練と愛する娘とのふれあいを通じて、信念のある凛とした姿と揺れ動く感情を淡々と描く。

エヴァ・グリーンさんが、男社会で生き抜く強かさと、娘への愛情を、切々と演じる
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スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.4

マイホームを題材にしたサスペンス。
斎藤工監督が、黒沢清っぽくホラー風味で手堅くまとめた作品。

好きな俳優ばかりで楽しめたけど、何かもう一捻り欲しかった。

気がつけば800本。😊

スティーヴ・アオキ: I'll sleep when I'm dead(2016年製作の映画)

3.3

何年前か、御本人を渋谷のタワレコで見かけたことがある。インストアイベントで、本作でお馴染みのケーキのパフォーマンスが懐かしい。

アメリカの鉄板焼レストランチェーン「BENIHANA」の創業者でスピー
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死を処方する男 ジャック・ケヴォーキアンの真実(2010年製作の映画)

4.5

安楽死、mercy killing、とは、医療の発達が生んだあだ花か?

医療の発達がなければ亡くなったであろう人を本人の意思を考慮せず、治療の苦痛と、治療費の負担を家族に負わせ「生かし続ける」ことは
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幸福の条件(1993年製作の映画)

3.0

ロバート・レッドフォードが億万長者、ジョン・ケイジを優雅に演じる一方で、デミ・ムーア演じる人妻に出会い、一晩百万ドルの提案をする。愛はお金で買えるか?

午後のロードショーに相応しいB級作品かと思いき
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Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?(2004年製作の映画)

4.0

言わずと知れた日本版のリメイク。

草刈民代をジェニファー・ロペス、役所広司をリチャード・ギアが、その他日本版との役者の対比が興味深い。オリジナルに対する敬意が感じられる。

久しぶりに観て、ピーター
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アウシュヴィッツの生還者(2021年製作の映画)

5.0

アウシュビッツ収容所で、ユダヤ人同士を闘わせた賭けボクシングという衝撃の実話。

負けたボクサーはその場で射殺される、😭
気の毒極まりない、壮絶な試合。もう負けたボクサーが不憫で、辛い。

リングを戦
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ウェルカム トゥ ダリ(2022年製作の映画)

3.5

名声を得たダリのわがままを支える老妻ガラ。
画廊で働く若者ジェームスが目撃したダリ夫婦の日常を描く。

世間に認知された「変人」を演じるダリの素に返った横顔が痛々しい。

ルーキー(1990年製作の映画)

3.2

クリント・イーストウッド主演、監督。
山田康雄の声のせいか、ダーティ・ハリーまんまのベテラン刑事で安心。

チャーリー・シーン演じる新米刑事とタッグを組み、自動車窃盗団を追い詰める。

ドンパチに食傷
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.3

地球に突入する彗星を発見したミシガン大学天文学教授役のディカプリオが太り気味で、かつてのカリスマの欠片もなく哀愁が漂う。

アメリカ大統領役のメリル・ストリープのイケイケっぷりや、政治風刺のアホらしさ
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Pure Japanese(2022年製作の映画)

3.4

ディーン・フジオカ、主演、企画、プロディース。日光江戸村の忍者演劇の音響効果担当係、立石を静かに演じるフジオカが、中国資本の日光の土地買収に巻き込まれる。

ヒロインの女子高生役が、『志乃ちゃんは自分
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志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

3.9

吃音で悩む女子高生のヒロインと、彼女に連れ添うギター弾きの友人。
そこにかつて彼女をからかった男子高校生が絡む。3人の不協和音が見てて辛い。

高校時代を要領よく過ごした人には、本作の登場人物たちの心
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50/50 フィフティ・フィフティ(2011年製作の映画)

3.5

27歳の気の弱い青年がガンを患う。
不器用な暮らしっぷりと周囲の人々との交流。

主役のジョセフ・ゴードン=レヴィットの薄笑いが味わい深い。窪塚洋介と堺雅人を掛け合わた感がある。

親友の、ナンパしか
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シェイクスピアの庭(2018年製作の映画)

4.3

1613年6月29日、「ヘンリー八世」上演中にグローブ座を焼き尽くした大火災の後、断筆したウィリアム・シェイクスピアは故郷ストラットフォード・アポン・エイヴォンの家族のもとへ戻った。

20年ぶりの家
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エクス・マキナ(2015年製作の映画)

4.0

世界最大のネット検索エンジン会社の社長ネイサンの山荘で、AIを搭載した美形アンドロイド、エヴァと対峙する青年の苦悩を描く。

エヴァの透明感と機械と、人型の曲線を多様した形状、お洒落な山荘と緑豊かな自
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イースタン・プロミス(2007年製作の映画)

3.9

ロンドンの病院に勤める、ナオミ・ワッツ演じる助産婦と、ロシア・マフィアの駆け引き。

『シャイン』で厳格な父親を演じたアーミン・ミューラー=スタールが今回も厳格かつドス黒い父親を淡々かつ重厚に演じる。
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フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛を込めて(2019年製作の映画)

4.0

イギリスのコーンウォール地方の港町、ポート・アイザックの漁師達が歌う労働歌がブレイクした実話の映画化。

荒々しくも大らかな性格の漁師達の顔がいい。

大海原で働く男達の純粋な気持ちを代弁し、次世代に
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テンプル・グランディン~自閉症とともに(2010年製作の映画)

4.5

自閉症の女性の伝記。

地味な作品かと思いきや、思考回路の映像表現が洗練されてて印象に残りました。

自閉症という言葉と、台詞で自閉症を意味するautismとの間に横たわる違和感。下の解説が興味深い。
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麻薬密売人 プッシャー(1997年製作の映画)

3.4

ニコラス・ウィンディング・レフン監督デビュー作。デンマークの麻薬密売人の日常を描く。

平日の真昼間の売人の日常を追体験しているような不思議な感覚。

人相の悪い人ばかり寄せ集めて、台詞も下品。
こん
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ドライヴ(2011年製作の映画)

4.0

ロサンゼルスで昼間は修理工場とカースタントで稼ぐ凄腕ドライバー。夜は犯罪者の運び屋。

歩行者をほとんど見ない街の虚無感と、寡黙な主人公を演じるライアン・ゴズリングの佇まいが良い。80年代のハワード・
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ゾン100 ゾンビになるまでにしたい100のこと(2023年製作の映画)

3.9

テレビドラマ『Pending Train』でイケメン消防士を演じた赤楚衛二と白石麻衣主演の痛快ゾンビエンターテイメント。

予期せぬ展開と、都内でどうやって撮影したのか大掛かりな美術、そしてモブの大勢
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しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜(2023年製作の映画)

3.5

産経新聞で好意的に取り上げられた本作。

最初は、お下品なネタの応酬に場内は子供達の笑い声。おっさん一人は居心地悪い。

大根監督の、くだらない中にも、大人にも響くメッセージを込めた、素晴らしい脚本。
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記憶探偵と鍵のかかった少女(2013年製作の映画)

4.1

『エスター』のジャウマ・コレット=セラ監督が制作したサスペンス。寝落ちしたので再鑑賞。

緊張と弛緩を、登場人物に照射する光の強度とその光がもたらす陰影との対比で上手く表現する映像のこだわり。

記憶
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エスター(2009年製作の映画)

3.9

不気味なポスターなので避けてたが、『トレイン・ミッション』の監督の作品と知り、観ることに。

建築家の自邸の洗練されたインテリア、高級車、周囲の冬の木立とマッチした木造建築のエクステリア、スタインウエ
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フライト・ゲーム(2014年製作の映画)

3.5

リーアム・ニーソンの「トレイン・ミッション」を鑑賞後、U-NEXTのおすすめ。

連邦航空保安官のリーアム・ニーソンがニューヨークからロンドン行きの航空機で繰り広げるアクション。

ジュリアン・ムーア
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