ぷりん

ポチの告白のぷりんのレビュー・感想・評価

ポチの告白(2006年製作の映画)
2.8
反権力を誤って捉えて拗らせた映画。特に後半1時間は陰謀っぽくて辟易してしまった。

確かに警察は国家権力だし、悪いところもたくさんある。マスコミもマスコミで甘い報道もあるし、記者クラブ制度に問題がないわけではない。だけれど、あまりに憶測で物語を作りすぎ。
特派員協会で会見した2人はどうやってあの発言の内容の裏をとったの?全く取材する描写もない。正義感だけではなくファクトに基づいた報道が最優先なのに、、、。
本来批判しないといけないのは権力そのものなのに、あまりにその権力が大きすぎて届かないから、権力のそばにいるマスコミを叩いて満足する風潮が安倍政権以降増している気がしたけれど、この映画ができた2005年もその空気があったんだな。
マスコミは市民が責めるべき対象ではない。広報文が欲しくて阿るようなマスコミは当時ならもっといなかったはずだ。

署の刑事課長が5年間署長を続ける、裁判官と警察官が仲良いなど、そもそもとして警察の仕組みそのものが設定としてあり得ない。

期待値が高く、正しい警察権力の批判を期待していたからこそ、恣意的というか陰謀みたいに左翼を拗らせた作風で残念でならない。
ぷりん

ぷりん