通りすがりの旅芸人

女舞の通りすがりの旅芸人のレビュー・感想・評価

女舞(1961年製作の映画)
3.5
ミステリアスでどこか影がある、浮気性な能楽宗家の若太夫を佐田啓二が演じてます。
 自分が女にもてていることを自覚している男(笑)

「君は僕のこと好きだろう、僕も君のことを好きだ」、と若くして浜村流の若い舞踏家(岡田茉莉子)を押し倒して関係をもったものの

「君が好きな間は他の女は好きにならないよ
 思うだけなら何を思ってもいいさ
 僕は誰とも結婚しない、
 君は結婚したければすればいいんだよ、会いたくなれば呼び出すから
 離れたければ離れていいんだよ」

と、名セリフを連発して、岡田茉莉子は生殺し状態に

ライバル?のバツイチ女性からは

「あの人、女の愛を奪うだけです、
わたくしのようにならないでください」

と親身な忠告とも哀れみに近いものを受けるが、かえって燃え上がるのが恋愛というもの

若太夫は他の男とお見合いしている家元をみると、「ここを抜け出そう」と魔のささやき

北林谷栄演じる連れ込み宿の老婆とその孫娘らしき少女の会話がおそろしー

「またお前の好きなひとがきたよ」と老婆
「やめておけばいいのに」と少女
「そうはいかないよ
女ってのは、そうはいかないね」