福福吉吉

太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男の福福吉吉のレビュー・感想・評価

3.0
第二次世界大戦末期、日本が統治していたサイパンにアメリカ軍が進攻し、サイパンの大半をアメリカ軍が占領し、残る日本軍は少数であった。日本軍本営は既にサイパンを放棄していたにもかかわらず、残る日本軍は抵抗し続け、総攻撃の結果、大場栄大尉(竹野内豊)は生き残り、残る兵士と民間人の命を守るため、策を弄して山で抵抗するのだが...。

ストーリーとして多くの人にスポットを当てすぎて、盛り上がりに欠ける展開になっており、描きたいものが分散している感じがしました。主人公である大場栄大尉がアメリカ軍に「フォックス」と呼ばれ、恐れられていることがメインのはずなんですが、妙にすんなり話を進行しているため、「フォックス」の凄さが全く感じられなかった。

本作では竹野内豊の他に、唐沢寿明、井上真央、山田孝之など豪華な俳優陣が名を連ねているのだが、それが見事に大場大尉の活躍を喰ってしまっており、どっちかというと丸坊主で上半身裸に入れ墨の堀内今朝松(唐沢寿明)やアメリカ軍への憎しみの強い青野千恵子(井上真央)のストーリーの方が観たいと思ってしまいました。

もちろん、大場大尉が最後まで日本軍軍人としての生き様と生存者の命の保護に葛藤し続け、彼の決断が多くの民間人や兵士が生き残ったことにつながったことは誇るべきものだと思います。それでも大場大尉の活躍をあっさり描き過ぎた気がします。もっと苦悩しているシーンなど泥臭く脚色して良かった気がします。

面白い作品でしたが、映画なのでもっと脚色していい気がします。

鑑賞日:2023年3月1日
鑑賞方法:CS 日本映画専門チャンネル
福福吉吉

福福吉吉