このレビューはネタバレを含みます
【ビジネスの規模】
『ひろしま』で幸夫が影響を受ける映画がこちら。
本作もまた、公開当時には米国内で逆風を受けていたとのこと。
勤続30年にも関わらず、大恐慌で真っ先に勤務先の銀行から首を切られた Henri Verdoux。
車椅子生活の妻と幼い息子に、それなりの生活レベルを送らせたいと、彼が着手した次なる「ビジネス」は…結婚詐欺！
言葉巧みに誘惑し、結婚し、殺害していくのですが、妻によってはかなり手こずることも(^_^;)。ブラックコメディで、残酷な描写はありません。お札の勘定が驚異的な速さ！手先だけ早送りしてるのかと思いました(^^)。さすが出納係！
後半ようやく反戦思想に繋がるのですが、少し急展開な印象。
雨宿り中の若い女性は、戦争で負傷した夫を失い人生のどん底に落ちたものの、戦争特需で景気の良い男性と再婚して羽振りが良くなるという、とても象徴的な登場人物でした。著しく戦争に振り回されていながらも、Henriの「親切」で人生に絶望しなくて済みました。
善悪は表裏一体…。
この若い女性を演じたMarilyn Nashは、Beverly Hills HotelのテニスコートでChaplinと出会い女優の道へ！
あと、改めてGeraldineは父親似なんだなぁと思いました。
覇権、領土のための戦争は外交。
「愛」と生活費のための殺人は犯罪。
時代に流されない、Chaplinの鋭い指摘が評価されるまでには時間がかかりました。
“It's the approach of death that terrifies.”
“I suppose, if the unborn knew of the approach of life, they'd be just as terrified.”
“This is a ruthless world and one must be ruthless to cope with it.”
“It's a blundering world and a very sad one, yet kindness can make it beautiful.”
“As for being a mass killer, does not the world encourage it? Is it not building weapons of destruction for the sole purpose of mass killing? Has it not blown unsuspecting women and little children to pieces? And done it very scientifically? “
“Wars, conflict - it's all business. One murder makes a villain; millions, a hero. Numbers sanctify.”
