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ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEYのmotoietchikaのレビュー・感想・評価

3.8
まさか「ティガの昔の女が怒り狂って暴れる話」だったとは思わなかった。

『SSSS.GRIDMAN』と同じく、長谷川圭一脚本。
子供の頃観た記憶では怖すぎてわんわん泣いちゃった覚えがあるのですが、さすがにそこは大丈夫でした。でも終盤のグリッターティガのくだりでは、また別の意味でウルッときちゃいましたよ……。

TVシリーズ最終決戦の跡地に古代遺跡があり、そこを探査するプロジェクトが発足。遺跡に足を踏み入れると、ウルトラマンを象ったような、しかし邪悪なオーラをまとった石像が並んでいた――
もうこの冒頭から引き込まれる。

「もう、ウルトラマンには、なれないね……」
「人間はみんな、自分自身の力で光になれるんだ」
これもテレビシリーズ最終回の台詞だけど、激アツでした。
その最終回でティガに変身する力・スパークレンスを失ったダイゴは、復活した闇の石像が再び人類を滅亡させようとするなか、途方に暮れる。
そこへせせら笑うように、闇のスパークレンスをダイゴに渡す、闇の巨人・カミーラ。そしてダイゴは、ティガにも敵と同じように闇があることを知る。

人間は誰しも闇を抱えているということを肯定し、そのうえで「自分自身の力で光になれる」ことを自ら証明しようとする展開は本当に熱い。
ストーリー自体はあまり記憶には残っていなかったけど、それでもこの作品を子供の頃に観ていて本当に良かったと思える傑作でした。
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