るい

怪獣大戦争のるいのレビュー・感想・評価

怪獣大戦争(1965年製作の映画)
3.6
やってまいりました
姉さんと巡るゴジラ
ついに今作はゴジラが宇宙まで行くという
初のSFと怪獣映画を掛け合わせた意欲作
話は
196X年
木星の裏側に13番目の衛星、通称「X」
が発見され
地球連合宇宙局の富士一夫とグレンは
そこへ探査のためP-1号に乗り、 X星に派遣される
一方地球では、富士の妹、ハルノの恋人である
しがない発明家の鳥井哲男が発明した
「レディガード」という
やたらデカい音を出す防犯ブザーが
世界教育社という
いかにも怪しい連中に売れる
その代表である波川女史は
やたらハルノたちの素性を何故か知っていて‥‥
話戻って
X星に到達した富士とグレンは、早々に
「X星人」と名乗る連中に君たちは危険な状態にあると、急にシェルターのような場所に案内され保護される
そこで統制官を名乗るリーダー格のX星人により
この星が怪物0=キングギドラの脅威に脅かされていると聞く
そして彼らの提案が
怪物01ことゴジラと
怪物02ことラドンを
地球から借り受けて
キングギドラを撃退して欲しいと
見返りとして
100%完治できるという
がんの特効薬を差し出すという
地球はこの報告に歓迎ムードになるが‥‥

今回は怪獣というよりは
人類とX星人の対立に焦点を当てた
ドラマ側の方が印象的な作品
まあとにかく X星人の胡散臭さと
ツッコミどころ満載のシナリオと
相変わらず役に立たないノー天気な政府の皮肉が
たっぷりの作品
まずのっけから最高
ゴジラとラドンが勝手に国の所有物になってるという
誰かそこツッコめよ!と言いたくなる
ガバガバな設定が最高
さらに、堅物兄貴と妹の関係性や妹の婚約者も絡んだ、どうでもいい、つまらんドラマも展開したり
その中でも良かったのは
グレンと波川女史の叶わぬ悲しき恋の話かな
これだけは切なかった
でもって今作、集大成なのか?ってくらい
とにかく演者が特撮好きからしたら豪華
宝田明氏にニックアダムス
久保明に田崎潤氏
さらに土屋嘉男と、これでもかってくらい
怪獣映画のオールキャストが勢揃い
極めつけが
満を持してゴジラシリーズに初出演を果たした怪獣クイーン(たぶん自分だけが言ってる)
水野久美さん
とにかく今作彼女の存在が印象的だったイメージ
それと自分はやっぱり富士ハルノを演じていた沢井圭子さんの可愛さかな🤔
今作っていうと忘れちゃいけないのが音楽
「フリーゲートマーチ」をベースにアレンジを加えた、おそらくゴジラのテーマに次ぐ
怪獣映画の有名曲
「怪獣大戦争マーチ」が初登場したのが今作
この曲
「クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」に使われたりするんですよね
そしてもう一つが
ゴジラが「シェー」をやるという
やたら一般大衆に向けた
いかにもな、あざとい演出がこのあたりから取り入れられてるんですよね
これはかなり上層部で物議を醸したらしいです
コレ以降ゴジラは
次作で加山雄三の「僕は幸せだなぁ」をやったり、
別作品では木枯し紋次郎のマネをしたりと
擬人描写が多い、子供騙しなヒーロー怪獣へと変わっていく
そんな次回はゴジラの中でも異色作を観ていこうと思います
るい

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