たく

時をかける少女のたくのレビュー・感想・評価

時をかける少女(1983年製作の映画)
3.8
尾道三部作は一つも観てなくて、大林監督追悼ということで初鑑賞。これが映画デビュー作となる原田知世の透明感がとにかく半端なくて画面にくぎ付けとなってしまった。
演技のひどさは全くマイナスになってなくて、他の役者の演技もみんなグダグダなんだけど、学芸会みたいな本作の雰囲気にはぴったりかも。

「時かけ」は細田監督のアニメ版しか観ておらず、これがすごく良かったのでなかなか大林監督版に手が出なかった。基本プロットは同じだけど印象が全然違くて、映画全体に漂う郷愁感が強烈。冒頭モノクロスタンダードサイズの画面から始まり、原田知世の周囲だけカラーになってからのタイトルロール後に画面がビスタサイズに拡がるのが象徴的。
その後もたびたびカラーからモノクロに落ちてからのフェードアウト、画面を左にスワイプする画面切り替え、コマ落とし、あと地震のシーンで家が襲ってくる感じが「HOUSE」を思わせたり、大林監督節の映像遊びが炸裂してたね。

晩年の上原謙が特別出演してたのと、音楽監督の松任谷正隆が写真に写ってるのが印象に残る。
エンドロールで原田知世がユーミンの主題歌を歌うシーンとNG集まで入れてくるのが舞台劇のカーテンコールを表してるみたいで、最近の安っぽい邦画でたびたび見かけるこの演出は本作をお手本にしてるのかなと思った。
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