ツクヨミ

ブレイド2のツクヨミのレビュー・感想・評価

ブレイド2(2002年製作の映画)
2.8
無骨なアクション映画をダークなモンスターハンティングアクションに仕立てたデル・トロ監督の偉業。
ヴァンパイア狩りを続けるブレイドの元にヴァンパイア帝国から使いがやって来た。彼らは敵の筈のブレイドにとある協力を依頼する…
ギレルモ・デル・トロ監督作品。MARVELコミックス原作ブレイドシリーズ第2作目の今作は、前作の無骨で単調なブレイドの持ち味を見事に打ち砕いてくれた。ギレルモ・デル・トロ監督といえばダークなファンタジーや独特なモンスターデザインが秀逸な監督だ。今作では特にモンスターデザインと人成らざる者たちの描写に関しては目を見張るものがあった。
これまでのブレイドシリーズで描かれてきたヴァンパイアは、基本的に見た目が唯の人間なのに超絶アクションをキメるというちょっとした違和感があった。それに対しデルトロ監督はヴァンパイアの見た目は一緒だが死ぬ時の描写に力を入れ、閃光と共に朽ち果て骸骨から灰になるという美しき散りざまを見せる。ハイスピードなアクションの合間合間に挿入される散りざまのなんと美しく儚いことか敵ながら天晴れな死に方に感無量でガッシリ心を掴まれた。
そして特筆すべきは今作から誕生したヴァンパイアの改造種リーパーのデザインだろう。エイリアンのように口が裂け人間やヴァンパイアの血を吸うビジュアル力、時にはゾンビのように群をなして襲いかかる恐ろしさは素晴らしいモンスター描写だ。
また今作は前作から大きく飛躍を遂げたアクションが凄まじくカッコいい。ウィズリー・スナイプス兄貴のキレッキレの動きは相変わらずだが、やはりキメ画を意識した素早いカメラワークとスローモーション演出がビシッとキマッた時の快感は堪らないものがある。どんでん返し的な要素もある脚本も楽しいし、ラストでは激アツのブレイド復活劇もあるしなんとも楽しいアクション映画をデル・トロ監督は創造してくれたものだ。
ブレイド3部作の中で1番興収が高いのが納得の出来に脱帽。デルトロ監督はアクション撮るのも意外にうまいなと感心した作品だった。
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