無影

モスラ対ゴジラの無影のレビュー・感想・評価

モスラ対ゴジラ(1964年製作の映画)
3.4
ジャーナリズム、資本主義と私有財産制、個人主義。第一作から引き続き、敗戦によりはじけた価値観がせめぎ合っている様子が時代を感じます。その混沌を圧倒的な力で蹂躙していくゴジラ。それを打倒したのが、戦前さながらの軍事力や戦後開発の加熱した核技術でもなく、約束を守り、人を助けるという人同士の信頼だった。社会性がとことん「脱臭」されたゴジラが日本最大の映画賞を獲得する時代の人間には、眩しいぐらいの清々しいメッセージ性に満ちていました。
映像技術も、前作で初めて観られた撮り方にくわえ、街のジオラマ越しのゴジラの合成はとても迫力がありました。
それにしても、昭和シリーズを観ていくと、モンスターバース・シリーズがいかに原点へのリスペクトが込められて作られているのかがよく分かりますね。
無影

無影