nori007

モスラ対ゴジラのnori007のレビュー・感想・評価

モスラ対ゴジラ(1964年製作の映画)
4.0
2014年夏に行われたBSテレビで行われた「ザ・ベストゴジラ総選挙」で堂々の2位にランクインしたていたので、もう一度見直すことにしました。

子供の当時に観た時は、結末がゴジラ対キングコングと同じで不完全燃焼と感じたのだけれども、大人の目線で見直すとかなり物語がしっかりしていると感じられます。
これも1stと同様の本多猪四郎監督によるところが大きいと思う。さらに宝田明さんも出演されていて、ゴジラも悪役として描かれているというのは1stの正当な続編ではないでしょうか。

核の恐怖もきちんと描かれ、高圧的な企業がモスラの玉子を利用しようとする様は高度成長の負の一面ともとれます。そういった世の中に警鐘鳴らす作品でもあるのです。

そんな中、再び出現したゴジラも今度は名古屋のシンボルを次々に破壊して行きます。
そういった細部に渡るこだわりもとても良く出来ていますし、自衛隊がかなり健闘している描写もいいです。

そして最後に、小美人たちの心を動かすのは誠実さなんだよね。
成虫モスラも最後の力を振り絞って死に場所をそこに決めたのかもしれない。

というわけで、ストーリーも特撮もメッセージ性もバランスよくまとまったいい作品です。
nori007

nori007