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湯殿山麓呪い村のピッコロのレビュー・感想・評価

湯殿山麓呪い村(1984年製作の映画)
3.8
心がドシャ降りになる鬱映画

うわぁ~、数日ひきずりそうだ。
今は、何も考えたくないし、感じたくもない。
ただ、自分は一日寝たら嫌なことは全て忘れるお気楽な性格なので、明日も明後日も平気で生きていくと思うけど、今は凄く憂鬱な気分。
久しぶりに、心にズシーンとくる映画だった。
でも、こういう映画嫌いじゃない。

大学講師・滝は、湯殿山麓弥勒寺の幽海上人の即身仏と『一切口外すべからず』という口伝書が残され、御堂の地下にひっそりと隠されたままなのに興味を持った。
その即身仏には不審な点がいくつかあるため、寺の者が無理矢理ミイラに仕立てあげたのではないかと仮設を立て発掘することに。
協力を依頼した人物の屋敷に脅迫状とミイラ化した手首が届けられた夜、バスルームで殺人事件が発生。バスルームは密室、そこにはミイラの手首が残されていた。果たして事件は呪いなのか?または・・・。

毎回、殺人事件が起こる映画やドラマを観るたびに、警察を呼ぶより金田一少年とか、右京さんと米沢さん、古畑と西園寺くん、ひんにゅーときょこん、青島(・・・は呼ばなくていいか?現場、現場うるさいし。)を呼んだほうが早く事件解決するのにって思ってしまう。
要するに刑事ドラマが大好きなだけなんだけど・・・。
色んな殺人やトリックがある中で、密室殺人が一番ドキドキするしワクワクするのは何故だろう?
今作もバスルームの中から鍵がかかっているので完全に密室状態。

その謎を解いていくミステリー映画かと思いきや、人間の業、人間の醜さ、人間不信になる胸糞悪いお話だった。

天明の大飢饉は布教のPRに絶好の機会であるため、生きたままの人間を無理やり即身仏にする。
即身仏のほとんどが穏やかな顔をした仏のようなミイラになるんだとか。
なのに、生きたままミイラ化されたため、なんとかしてそこから逃げ出そうともがき苦しんだ姿のミイラとなる。
このシーンがかなり衝撃的で、すぐ後に彼の身に何が起きたかを映像で説明されるので心がどんどんすり減っていく。

さらには、事件の真相に、言葉を失い、何も考えることが出来なくなった・・・。
ただ、憎いのは映画自体が面白いということ。

全て、呪い。これで説明できるのが一番怖い。
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