yunayuna

ラブリーボーンのyunayunaのレビュー・感想・評価

ラブリーボーン(2009年製作の映画)
4.0
傷を負った者は、その傷を許し昇華しなければ救われない。例え、どんなにその傷が残酷で無残で癒えようがないような傷だとしても。 赦し、受容する事でその苦しみから解き放たれるー



犯人が(恐らく彼女の骨が入っている)金庫を深い穴に葬り去ろうとしている場面と レイとのキスの場面が同場面で描かれているのは、憎しみや悲しみを手放すことー憎しみよりも愛や光を選んだ事を描きたかったのではないかー

いつまでもそこに囚われていても救われる事はないのだと。
深く負った傷は、犯人が制裁される事や憎しみが晴れることで癒えるのではなく、その憎しみを自ら手放した時、この世界を認め受け入れた時、癒やされ、昇華されるのだと。
犯人の制裁(転落死)が、彼女の救済の後に、またあまりにも呆気なく描かれているのは、そういう事なんじゃないかな。。。

彼女の魂が救済された後に、彼女の周りの世界(家族)にも、ようやく光が差しこんでくる。
世界は、互いに影響しあいながら繋がっている。 例え表面的には見えなくとも感じなくとも。



雑感
・とりあえず斬新でビックリした。 連続殺人をこういうテイストからとるんだ!という驚きと、天国と現世の境目のファンタジックな世界に残酷な殺人ものが入ってくるんだ!っていう驚き。 でも、物語が進むにつれて、そこが描きたいポイントじゃないからなんだなと思った。

・とにかく娘が亡くなったことに直面する親の悲しみを見るのは、あまりにも辛すぎて辛すぎて

・悲しみの真っ只中なのにあのお婆ちゃんの存在感が妙にミスマッチで、なんか不思議なバランスで好き。

・途中まで妹の方がお姉ちゃんだと勘違い。

・境目の世界の幻想的な世界の描き方が好き。
特に 父がガシャんガシャんボトルシップを割った時に、呼応するようにあっちの世界でも次々に帆船が現れ衝突するところとか。

・主役のシアーシャ・ローナンちゃんのあのカワイさたるや何事!!??
もう画面に映るたびに、かわええ、かわええ、、、って見惚れまくりました。


・私は好きだなこの作品。なんか全体を取り巻く不思議な感じに惹かれる。
yunayuna

yunayuna