Taul

細雪のTaulのレビュー・感想・評価

細雪(1950年製作の映画)
3.0
『細雪(1950)』初鑑賞。高峰秀子特集 @ シネ・ヌーヴォ。映像:普通(一部悪し)/音声:普通。

その作家性と80年代の時代感で凝縮した市川崑版(1983)(傑作だと思う)しか知らなかったので原作に近い展開はいろいろと新鮮。新東宝の看板女優集合で各エピソードをしっかり描写して、阪神大水害では特撮を使うという豪華な作り。起きることは多くて飽きないが、その分全体を貫くテーマ性は感じにくい作品だった。まあ長編小説の映画化という感じだ。いつか島耕二監督の大映版(1959)も観てみたい。

『細雪(1950)』四女妙子の高峰秀子が中心で驚きの美しさだった。アップの力の使い方が違う。それと太腿を見せたり下着姿になったりお色気シーンもあった。彼女は一人だけ洋装で快活。そういえば戦後から数年はいわゆるアプレ的な役が多かった。次作の『宗方姉妹』(で有名なペロっと舌を出すのも先にやっていた。デビュー当時の香川京子が小さな役で登場。舌出しは『おかあさん』で彼女に引き継がれた、なんてことも思ったが、昔のクリシェの一つなんだろう。
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