Omizu

源氏物語のOmizuのレビュー・感想・評価

源氏物語(1951年製作の映画)
3.7
【1951年キネマ旬報日本映画ベストテン 第7位】
大映創立10周年記念作品として、当時ブームになっていた「源氏物語」を映画化した作品。当時最も原作に忠実とされた与謝野晶子の現代語訳をもとに新藤兼人が脚色、監修には谷崎潤一郎が携わっている。

なんといっても長谷川一夫、京マチ子、木暮実千代、乙羽信子といった豪華出演者が見もの。特に木暮実千代の美しさは目を見張るものがある。

2時間の尺に収めるために明石の上と女三宮を合体させた淡路の上を創作するなど大胆なことをしているが、吉村公三郎の気品ある演出によって元々のメロドラマ的な側面や風格は失われず忠実な映画化という感じがする。

カンヌ映画祭で撮影賞を獲得しただけあり撮影がとても素晴らしい。当初はカラーの予定だったらしいが技術的な問題からモノクロになったという。でもそれが結果的によかった気がする。やはりこの世界観はモノクロが似合う。
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