Omizu

レナードの朝のOmizuのレビュー・感想・評価

レナードの朝(1990年製作の映画)
3.3
【第63回アカデミー賞 作品賞他全3部門ノミネート】
『プリティ・リーグ』ペニー・マーシャル監督がオリバー・サックスの医療ノンフィクションを映画化した作品。アカデミー賞では作品賞、主演男優賞(ロバート・デ・ニーロ)、脚色賞の3部門にノミネートされた。

うーん、これはどうなんだろう。感動作としてしまうのも違うし、医療ものとしても今となっては危うい描写が多々ある気がする。

パーキンソン病を患う患者たちが新薬によって一時的に覚醒するが…という話で、確かに劇的な展開で映像化したくなるのも分かる。しかしパーキンソン病をこういう風にエンタメ消費していいものだろうかという疑問が残る。結末を考えると特に。

キャストはみな心暖まる演技をしている。本来の主演はロビン・ウィリアムズだが、ロバート・デ・ニーロに完全に喰われている。現にアカデミー賞でもデ・ニーロが主演男優賞にノミネートされた訳だし。ウィリアムズももちろんいい演技はしているんだが。

色んな意味で現在なら議論を呼びそうな作品だなと思う。ペニー・マーシャルは監督として出来るだけのことはやっていると思うが、テーマそのものの問題が残ってしまった感じ。上手く再構成しているとは思うがなんとなく納得できない何かがある。
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