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重力ピエロのERIのレビュー・感想・評価

重力ピエロ(2009年製作の映画)
3.9
2回目です。観れば観るほどいい映画だ。

事件の終わり、明けた1日の父と息子たちのシーンが本当に素晴らしい。小さい頃の春も、大人になった春も、とてもいい。

いちいちぐっとくるよ。この家族は。

伊坂幸太郎が原作の「重力ピエロ」は、邦画らしい作品だった。間の取り方や、物事の解釈の仕方がとても日本的だった。キャストも、とても丁寧に演じていて、観ていてとても心地良かったです。

主演は、加瀬亮と岡田将生さん。彼らは兄弟の役で、二人の父親役は小日向さん。兄の泉水と、弟のハルは、奇妙な連続放火事件を探ることになる。少しずつ、少しずつ真実が見え始め、ひとつひとつが繋がり始めたとき、辿り着いた先は。

穏やかな家族に訪れた胸が突き刺さる事件。突然訪れた悲劇がひとつの家族を襲い、それでも笑って負けないように生きていく。事件や遺伝子なんかに負けないように、この世の中をかえるのは自分だ。そして洗い流そう。きれいに。同じ痛みを追ったこの家族がついていれば、勇気をもってたたかえるのだ。楽しそうに笑いながら。

ほほえましくて、苦しくて。原作も読んでみたいなぁと思いました。
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