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髪結いの亭主のmのレビュー・感想・評価

髪結いの亭主(1990年製作の映画)
3.0
素直に気持ち悪いと思ったが、なぜか余韻が残る作品だった。
……こんな嫁欲しい、と思ってしまったよ笑

圧倒的変態映画。
おフランスはセクシャルなものを真っ向から真剣に描くので、それはそれで面白いと思った。

アントワーヌ(ジャン・ロシュフォールさん)は幼い頃、理容室で働く女性に惚れる。
初恋を拗らせ、中年になったアントワーヌは同じく理髪店で働くマチルド(アンナ・ガリエナさん)に恋をする。
勢いで結婚を申し出たアントワーヌに、マチルドはOKし、ふたりの奇妙な結婚生活が始まる。そんなストーリー。

今作を観てはじめに思ったのが、「女性が性に目覚める瞬間っていつなんだろう?」ということだった。
年齢を重ねてくると女性同士でも激しい下ネタなどで盛り上がるけど、今作のように幼少期になにが自分を刺激させるのか、考えたことがないことに気付く。
それってなんでだろう?と考えたとき、女性が性的に消費されるものだというを教え込まれるからなのでは?と思った。

あ、あくまで男性が悪いというフェミニズムな思考じゃないんだけれど、多分女の子の入り口って「気を付けなさい」という言葉からだと思うんだよね。
フランスの女性がどうなのか、私は知らないけど、身を守らなければならないと教え込まれた気がする。
男性は幼い頃友達同士でおっぱいが〜とか、セックスについてケラケラ笑いあったりと今作に描かれているようなものの記憶とかあるんだと思うけど、あまりそれについて女の子が通る隙間が無かったように感じる。

今作もいつでもセックスさせてくれて、お客がいても下着脱がされても怒らずさせてくれる女性。
上記に書いた通り、性的に消費されている気がしてならない。

が!後半はなんだか、女性目線に立っているように思えた。
マチルドは美しいけれど、どこか危うさを感じてやまなかった。
夫婦生活の中でマチルドとアントワーヌの微かなすれ違いを感じ、拗らせた女と拗らせた男の行く末をラストで見てしまったように感じる。
愛を求めたマチルド、理想を求めたアントワーヌ。
アントワーヌの中にある違う想いをマチルドは理解していたのではないか。
ここはもう女の子目線ではないだろうか。
幸せの絶頂・幸せなふりをしないで、女心よ…。

アントワーヌは本当にマチルドを愛していたのか?
ラストの呆然としたアントワーヌの顔はシェーファー夫人を想っていたのか、マチルドを想っていたのか?

フランスならではでとにかく画か可愛い!
……マチルド可愛いなぁ、私もあんな嫁が欲しい。笑

ストーリー : ★★★☆☆
映像 : ★★★★☆
設定 : ★★☆☆☆
キャスト: ★★★☆☆(アンナ・ガリエナさんに)
メッセージ性 : ☆☆☆☆☆
感情移入・共感 : ★☆☆☆☆

cc/愛に溺れる。前よりも、深く。
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