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髪結いの亭主のsilvaのネタバレレビュー・内容・結末

髪結いの亭主(1990年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

映像が全てポストカードの様に美しいから、
画面から1秒も目が離せない。
ニキータ的なアーティスティック画面映画。
光と色と影のバランスが本当に素敵。絵的。
美しい映像なんだけど内容も素敵で、人間の揺れる絶妙な心を表現してる。
マティルドは何故自殺したのか、
人によっては色んな見方があるのかと思う。
派手な出来事があったわけでも悲しいことがあったわけでもない。
ただ愛してる人と共に幸せを過ごしているだけで、突然それに悲しさを感じることがある。


20代の頃女友達と、

夜中彼氏の寝顔を見て泣いたwww
なにそれわかるwww

って話をした事を思い出した。


別に彼氏とケンカをして泣いたわけではない。


朝方4時、目が覚めて窓から入るブルーグレーの薄明かりの中、
自分の隣で眠る彼氏の顔を見た。
彼の顔は美しかった。
頬に影を落とす長いまつ毛や、しっかりした骨格、女性の皮膚とまた違う肌、
愛おしくて、守りたくて、幸せなんだけど、この幸せはいつまで続くんだろう、
いつかこの幸せが無くなったら私は耐えられるのだろうか、、
ほの暗さと冷たい光の中で謎の感情が溢れ出て、急に悲しさに襲われて
1人で泣くのだった。


ああーマティルドもそう言う気持ちだったのかもしれないな、と水の中に飛び込んだ時にそれを思い出した。
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