指の小指

キング・オブ・コメディの指の小指のレビュー・感想・評価

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)
4.0
1984年公開、今作は監督マーティン・スコセッシ×ロバート・デ・ニーロによる五作目のタッグ。

主人公は作中何度も名前を間違えられるコメディアン志望のルパート・パプキン。TVショーで活躍する有名コメディアンのジェリーに近づき、番組出演を交渉するのだがー。

「タクシードライバー」から続けて鑑賞したこともあって、こちらもかなり現実と妄想部分の境界線が不安定な作品に感じました。ほぼ全編ルパート、そしてマーシャにひたすら共感性羞恥心を感じる居心地の悪さ。

ここまで話が通じない人達が、割と日常生活でも目の当たりにすることがあるのが恐ろしいところ。病院の受付、コンビニのレジ、誰でも巻き込まれる可能性はあるからゾッともするし、こちらも襟を正そうと思う。

最新作でも“キング”の異名を名乗るデ・ニーロが一夜限りの“キング・オブ・コメディ”として成功を収めたかの様に見えるラストも、色々深読み出来るのが良かった。

モノクロの観客の写真に向かう後ろ姿が引いていく場面、そして長回しパートの引き込まれる演技には、観客と一緒に拍手を贈りたいです👏

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