スコセッシにしては暴力描写も性描写も(ほぼ)なく、彼にしてはコミカルでティーンに見せても問題ないほどマイルドな映画。
しかし、承認欲求をエンジンにどこまでも突き進む主人公は「タクシードライバー」よりも恐ろしい。特に大きな写真を前に悦に浸るシーンは、常軌を逸した雰囲気で筆舌に尽くしがたい。
とはいえ、主人公の人生は良いことがないが、せめて一夜の王になろうとする姿には、どこか物悲しささえ感じる。誰かと仲良くなりたいが為に暴走する主人公の姿は、どうも他人事ではない様に感じるからだろうか。
個人的にはかなり刺さったが、単純な面白さはそこまでだったのでこの点数で。